子どもが毎日のようにロブロックスをしている。
「ゲームだけど、プログラミングの勉強にもなっているのでは?」
と思う親もいるでしょう。
ロブロックスでプログラミングを学ぶことはできます。
ただし、普通のゲームを遊んでいるだけで、自動的にプログラミングを学んでいるわけではありません。
見るべきなのは、ロブロックスをしている時間の長さではなく、その中で何をしているかです。
普通のゲームを遊んでいるのか。
自分でゲームの世界を作っているのか。
さらに、自分でプログラムを書いてゲームの動きを変えているのか。
この違いを分けると、子どもが今どの段階にいるのか分かります。
- まず「遊ぶロブロックス」と「作るロブロックス」は別
- ただ遊んでいることが無意味という話でもない
- Robloxの中にも「プログラミングを学ぶためのゲーム」はある
- 本格的に自分で作るならRoblox Studioを使う
- Studioで作るだけでも学べることはある
- プログラミングになるのは「どう動かすか」を自分で書き始めてから
- Luauでは一般的なプログラミングの基礎を学べる
- 「コードを写した」だけと「自分で変えた」も分けて見る
- エラーが出たときがプログラミング学習になる
- スマホやタブレットで遊んでいるだけなら、Studioとは環境も違う
- 小さい子は、いきなりコードから始めなくてもいい
- Scratchと違って最初から文字でコードを書く
- 学校の「プログラミング教育」とも少し違う
- 無料の公式教材だけでも最初は試せる
- 親が見るなら「何時間やった?」より「今日は何をした?」
- 「遊ぶ」から「作る」へ進みたがったら、その時が入口
- ロブロックスでプログラミングを学べるかは「何をしているか」で決まる
- 出典
まず「遊ぶロブロックス」と「作るロブロックス」は別
普段、子どもがロブロックスでゲームを選んで遊んでいるときに使っているのは、基本的に誰かが作ったゲームへ入る側の機能です。
一方、自分のゲームを作るときには「Roblox Studio(ロブロックス・スタジオ)」という無料の制作ソフトを使います。
つまり、
ゲームへ入って遊ぶ。
自分でゲームを作る。
は同じロブロックスでも別の活動です。
普通のゲームをプレイしているだけなら、その時間に子ども自身がプログラムを書いているわけではありません。
「ロブロックスを3時間したから、3時間プログラミングを勉強した」とは考えない方がよいでしょう。
ただ遊んでいることが無意味という話でもない
普通にゲームを遊ぶことにも、制作へつながる入口はあります。
「この扉はどうして近づくと開くんだろう」
「このゲームは、アイテムを取ると点数が増える」
「自分ならこのステージをこう変えたい」
とゲームの仕組みに興味を持つ子もいます。
これはまだプログラミングそのものではありません。
ただ、
「遊ぶ側」
から、
「どうやって作っているんだろう」
へ興味が移れば、Studioを使った制作へ進むきっかけになります。
親が見るなら、遊んでいる時間だけではなく、子どもがゲームの仕組みに興味を持ち始めているかです。
Robloxの中にも「プログラミングを学ぶためのゲーム」はある
ここには例外があります。
ロブロックスの中には、プログラミング学習そのものを目的に作られたゲームがあります。
ゲーム内でコードを書いたり、課題を解いたりしながら、プログラミングを学ぶものです。
こうした学習用ゲームなら、ロブロックスのゲームを「遊んでいる」ように見えても、中ではプログラミングを学んでいる場合があります。
そのため、
「ロブロックスを遊ぶ=プログラミング学習ではない」
と完全に分けるのも正確ではありません。
親が確認するなら、
「何というゲームをやっているの?」
「その中で何をしているの?」
と聞いてみる方が分かりやすいでしょう。
普通のアスレチックや対戦ゲームを遊んでいるのと、コードを書く学習ゲームを使っているのでは意味が違います。
本格的に自分で作るならRoblox Studioを使う
自分のゲームを作りたくなったら、Roblox Studioへ進みます。
これは、ロブロックスのゲームを作るための無料ソフトです。
Studioでは、
地面を作る。
ブロックを置く。
建物を作る。
地形を変える。
光や色を変える。
キャラクターや物を配置する。
といった3次元のゲーム世界を作れます。
ここで大事なのは、Studioを使い始めた瞬間からプログラミングになるわけではないことです。
最初はコードをほとんど書かなくても、マップやアスレチックを作れます。
これは十分な「ゲーム制作」ですが、まだ主に3D制作やゲームデザインをしている段階です。
Studioで作るだけでも学べることはある
コードを書かなくても、
どういう順番でステージを作るか。
プレイヤーはどこからスタートするか。
どこへゴールを置くか。
難しすぎないか。
物をどこへ置けば遊びやすいか。
を考える必要があります。
作った後には、自分でゲームを動かしてテストします。
ジャンプして届かない。
壁を通り抜けてしまう。
スタート地点がおかしい。
といった問題があれば直します。
「考える→作る→動かす→おかしいところを直す」という経験はできます。
ただし、これを理由に、
「Studioを使っているからプログラミングをしている」
とまでは言い切れません。
コードを書いているかを別に見ます。
プログラミングになるのは「どう動かすか」を自分で書き始めてから
ゲームの見た目を作るだけなら、部品を置く操作でかなり進められます。
しかし、
床を踏んだら消える。
ボタンを押したらドアが開く。
敵が一定時間ごとに現れる。
アイテムを取ると点数が増える。
体力が0になったらゲームオーバーになる。
といったゲームの仕組みを細かく作るには、プログラムを使う場面が増えてきます。
ロブロックスでは、そのために「Luau(ルアウ)」というプログラミング言語を使います。
Luaという言語をもとに、Roblox向けに発展した言語です。
Scratchのように画面上のブロックをドラッグして組み合わせる方式ではなく、キーボードで文字を入力してプログラムを書きます。
Luauでは一般的なプログラミングの基礎を学べる
Luauだから、ロブロックスだけでしか通用しない特殊なことだけを覚えるわけではありません。
初心者向けの公式教材でも、
変数。
条件分岐。
繰り返し。
関数。
出来事に反応して処理を動かす仕組み。
複数のデータをまとめて扱う方法。
などを学びます。
たとえば、
「プレイヤーがこの場所へ触れたらドアを開く」
なら、
何が起こったら。
何をするか。
をプログラムとして書きます。
こうした考え方は、ほかのプログラミング言語へ進んだときにも出てきます。
その意味では、StudioでLuauを書き始めれば、本格的なプログラミング学習の入口にできます。
「コードを写した」だけと「自分で変えた」も分けて見る
子どもがプログラムらしい文字を入力していても、それだけではどこまで理解しているか分かりません。
動画や教材に書いてあるコードを、そのまま写している場合もあります。
最初はそれでも構いません。
問題は、その次です。
「数字を10から20に変えたらどうなる?」
「ここを消したら何が起こる?」
「自分のゲームではどう変えたい?」
と自分で触り始めると、学習の意味が変わります。
コードを覚えているかより、
変更する。
動かす。
予想と違う。
原因を探す。
直す。
というところまで進んでいるかを見ます。
エラーが出たときがプログラミング学習になる
プログラムを書き始めると、必ず思った通りに動かない場面が出ます。
大文字と小文字が違う。
記号を一つ忘れた。
名前を間違えた。
条件が逆になっている。
こうしたミスを見つけて直す作業があります。
Roblox公式の子ども向け教材でも、コードの間違いを先生がすぐ直すのではなく、子ども自身が原因を探せるようにすることを重視しています。
プログラミング学習で大切なのは、正しいコードを一度書けることだけではありません。
「なぜ動かなかったのか」を考えることも含まれます。
親が画面を見て意味が分からなくても、
「思った通り動いた?」
「動かなかったなら、どこを直した?」
と聞くだけで、何を学んでいるか見えやすくなります。
スマホやタブレットで遊んでいるだけなら、Studioとは環境も違う
ロブロックスのゲーム自体は、スマートフォンやタブレットなどでも遊べます。
一方、Roblox StudioはWindowsまたはMacのパソコンで使う制作ソフトです。
そのため、
「子どもは毎日iPadでロブロックスをしている」
という家庭が、
「じゃあ、そのままプログラミングも始めさせよう」
と思っても、同じ端末上でStudioへ切り替えるわけではありません。
本格的な制作へ進むなら、まずStudioを使えるパソコン環境が必要です。
プログラミング教室を考えるより先に、家庭でどの端末を使っているかを確認します。
小さい子は、いきなりコードから始めなくてもいい
Roblox公式では、Studioでの創作は一般的に10歳以上を勧めています。
ただし、10歳未満ではできないという年齢制限ではありません。
低年齢の子なら、
地形を作る。
建物を作る。
色を変える。
自分の街を作る。
といった制作から始められます。
文字を読んだりキーボード入力したりすることに慣れてきたら、Luauによるプログラミングへ進めます。
コードを書けないから、
「まだロブロックスで学べない」
ということではありません。
制作とプログラミングを別の段階として考えればよいでしょう。
Scratchと違って最初から文字でコードを書く
学校やプログラミング教室でScratchを使ったことがある子もいるでしょう。
Scratchでは、「もし~なら」「10回繰り返す」といったブロックを画面上で組み合わせます。
Roblox StudioのLuauでは、基本的に文字でコードを書きます。
そのため、
タイピングに慣れていない。
英字入力がまだ難しい。
スペルミスが多い。
という子は、仕組みを理解していても入力で止まることがあります。
これは、
「プログラミングに向いていない」
とは限りません。
低学年なら3D制作を楽しみながら、少しずつ文字のプログラミングへ進む方法もあります。
学校の「プログラミング教育」とも少し違う
「学校でもプログラミングがあるなら、Robloxをさせておけばいいのでは?」
とも考えられます。
学校のプログラミング教育は、特定の言語を覚えてプログラマーになるためだけのものではありません。
文部科学省では、
自分が実現したいことを考える。
必要な動きを分ける。
どう組み合わせれば実現できるか考える。
試して、うまくいかなければ直す。
といった「プログラミング的思考」を育てることも重視しています。
Roblox Studioで、
「この仕掛けを作りたい」
「こう書いたけど動かない」
「じゃあここを変えてみよう」
と試行錯誤するなら、重なる部分はあります。
ただし、ロブロックスを起動しているだけで学校のプログラミング教育を代替できるという意味ではありません。
無料の公式教材だけでも最初は試せる
プログラミングを学ばせたいからと、すぐ教室へ入れる必要もありません。
Robloxには無料の初心者向け教材があります。
最初のStudio操作から、
簡単なゲーム制作。
変数。
条件分岐。
繰り返し。
関数。
と段階的に進められます。
まず一つ教材を使ってみて、
子どもが自分から続きをやるか。
コードを書いてみたがるか。
分からないときに調べようとするか。
を見てもよいでしょう。
一人ではエラーから先へ進めないけれど、まだ作りたい気持ちは強い。
そこまで来てから、先生へ質問できるプログラミング教室を考えても遅くありません。
親が見るなら「何時間やった?」より「今日は何をした?」
ロブロックスを学びにつなげたいなら、
「今日は何時間ロブロックスをしたの?」
だけでは判断できません。
「今日は何をしたの?」
と聞いてみます。
友達とゲームを遊んだ。
これは普通のプレイです。
プログラミング学習用のゲームで課題を解いた。
これは学習として設計されたプレイです。
Studioで街を作った。
これは3D制作です。
Studioで床が消える仕組みをコードで作った。
これはプログラミングです。
どれが良い、悪いという話ではありません。
子どもが今どこにいるかが違うだけです。
「遊ぶ」から「作る」へ進みたがったら、その時が入口
子どもが普通にロブロックスを楽しんでいるだけなら、無理に学習へ変える必要はありません。
しかし、
「このゲームみたいなのを自分で作りたい」
「ここを自分ならこうする」
「ゲームってどうやって作るの?」
と言い始めたら、Studioを見せるタイミングです。
最初はブロックを置くだけでも構いません。
そこから、
もっと面白くしたい。
動かしたい。
仕掛けを作りたい。
となれば、自然にプログラムが必要になってきます。
「プログラミングを勉強しなさい」から始めるより、
「作りたいものを動かすためにコードが必要になった」
という順番で入れるのが、Robloxを使う大きな特徴です。
ロブロックスでプログラミングを学べるかは「何をしているか」で決まる
ロブロックスでプログラミングを学ぶことはできます。
ただし、
ロブロックスを遊ぶこと。
Roblox Studioで作ること。
StudioでLuauのコードを書くこと。
は同じではありません。
普通に遊ぶだけなら、プログラミングそのものをしているとは言えません。
Studioでマップを作り始めれば、ゲーム制作へ一段進みます。
さらに、
「こう動かしたい」
「こういうルールにしたい」
をLuauで書き始めれば、本格的なプログラミングへ入ります。
親が見るのは、
「ロブロックスをやっているから勉強になっているか」
ではありません。
遊ぶだけだった子が、自分で作りたいと思い、さらに「自分の思った通りに動かしたい」と考え始めているか。
そこまで来たら、ロブロックスは単なるゲームから、プログラミングを学ぶ入口へ変わっています。
出典
Roblox Creator Hub|よくある質問
ゲームを遊ぶRoblox Clientと制作するRoblox Studioの違い、推奨年齢、Luauについて確認した公式資料。
Roblox Creator Hub|Coding fundamentals
変数、関数、条件分岐、繰り返し、配列など、Luauで扱うプログラミング基礎について確認した公式資料。
Roblox Creator Hub|Create a script
Robloxでコードを書く意味、Luauとスクリプトについて確認した公式資料。
Roblox Creator Hub|Education content
3D制作、プログラミング、ゲームデザインを含む無料教育教材について確認した公式資料。
Roblox Creator Hub|Intro to coding and game design
制作、プログラミング、テスト、エラー修正を組み合わせた初心者向け公式教材。
Roblox|Educational experiences available on Roblox
Roblox内で遊びながらプログラミングを学べる教育用ゲームの例を確認した公式資料。
Roblox Creator Hub|Roblox Studio setup
StudioがWindows・Mac向けの無料制作アプリであることを確認した公式資料。
文部科学省|小学校プログラミング教育の手引
学校でのプログラミング教育と「プログラミング的思考」の考え方を確認した公的資料。

