ロブロックス(Roblox)には、ゲームやアイテムなどを作って正当に得たロバックスを、条件を満たした後に現実のお金へ換える公式制度があります。
これが「DevEx(デベロッパー・エクスチェンジ)」です。
2026年11月1日から、このDevExの税務上の扱いが変わります。
Robloxは、DevExで支払うお金を米国の税務上「ロイヤルティ」として扱うようになります。
ロイヤルティとは、ゲームや著作物などの知的財産を利用することに対して支払われる報酬という意味です。
そこで日本からDevExを使っている人には、
「11月から米国の税金まで引かれるの?」
という問題が出てきます。
結論からいうと、2026年11月から日本の利用者全員に同じ割合の米国税が自動的に引かれるわけではありません。
確認するのは、
税務情報を登録しているか。
収益のうち米国プレイヤーに関係する部分がどれだけあるか。
日米租税条約の適用を正しく申請できているか。
です。
条件によって米国側で引かれる税率が変わります。
- 2026年11月1日に何が変わる?
- 一番重要なのは「日本だから何%」ではないこと
- 日米租税条約では「使用料」は米国側で免税
- 日本に住んでいても、条約を申請しなければ自動適用ではない
- 税務情報を出さない場合の「24%」と「30%」は別
- 米国プレイヤー分だけが米国源泉になる
- 3つの状態に分けると分かりやすい
- 2026年10月31日までに税務情報を確認する
- 「以前TipaltiでW-8を書いたから大丈夫」とは限らない
- 10月15日と10月31日は意味が違う
- 2026年11月以降は1042-Sを確認する
- 古いDevEx記事では1042-Sの説明が違うことがある
- 米国で税金が0%でも日本の税金が0になるわけではない
- 逆に米国税が引かれた場合は記録を残す
- 子どものDevExなら税務情報を親子で確認する
- 2026年11月前に見る場所はここ
- 日本なら「米国税は絶対0円」と決めない
- 11月以降に手取りが減ったら最初にTaxesを見る
- 2026年11月の変更で一番大事なのは「税金が増える」ことではない
- 出典
2026年11月1日に何が変わる?
現在、DevExの支払い処理にはTipaltiという外部サービスが使われています。
2026年10月31日までは、Tipaltiが支払い方法だけでなく税務書類も管理しています。
11月1日以降は役割が分かれます。
税務情報はRobloxのCreator Hubにある「Taxes」で管理します。
実際のお金の振り込みは、引き続きTipaltiが担当します。
つまりTipaltiがなくなるわけではありません。
変わるのは、税務情報を管理し、米国税を計算する主体です。
11月1日以降はRobloxが支払い前に必要な米国税を計算し、税金がある場合はそれを差し引いた後の金額をTipaltiへ渡します。
そのため、Tipaltiの入金額だけを見ても、税金がいくら引かれたのか分からない場合があります。
税額はCreator HubのTaxesで確認します。
一番重要なのは「日本だから何%」ではないこと
Roblox公式は、米国外のクリエーターについて、有効な税務情報を登録している場合、米国源泉部分に0%から30%の源泉徴収が適用されると説明しています。
「源泉徴収」とは、支払う側が税金を先に差し引き、本人に代わって税務当局へ納める仕組みです。
しかし、
「日本は○%」
と居住国だけを見て一律に決まるわけではありません。
租税条約を適用できるかまで確認します。
租税条約とは、同じ所得に日本と米国の両方で過度に税金がかかることなどを防ぐために、国同士で決めているルールです。
日本と米国にも日米租税条約があります。
日米租税条約では「使用料」は米国側で免税
日米租税条約では、著作権や特許権などの「使用料」について、所得が発生した側の国では原則として課税しない仕組みになっています。
DevExは2026年11月以降、Robloxによって米国税務上「ロイヤルティ」として扱われます。
そのため、日本の税務上の居住者が日米租税条約の適用要件を満たし、DevExの収入について条約特典を適切に申請して認められれば、米国側の源泉徴収率が0%になる可能性があります。
ただし、
「日本に住んでいるから自動的に0%」
ではありません。
ここが重要です。
日本に住んでいても、条約を申請しなければ自動適用ではない
米国外の個人がDevExを利用する場合、税務情報から「W-8BEN」という米国の税務書類が作成されます。
難しそうな名前ですが、簡単にいえば、
「私は米国の納税者ではなく、外国居住者です」
と米国側へ証明するための書類です。
さらに日米租税条約による税率を利用する場合は、条約特典を申請します。
Robloxは、条約による軽減税率を使うには、
有効で完全な税務情報。
納税者番号。
税務上の居住国。
などが必要だとしています。
Creator Hubの案内に従って登録し、税務情報の状態が「Validated」、つまり有効と確認された状態になっているかを見ます。
日本に住んでいるという住所だけで、Robloxが自動的に日米租税条約の0%を適用してくれるとは考えないほうがよいでしょう。
税務情報を出さない場合の「24%」と「30%」は別
ここはかなり分かりにくいところです。
DevExについて調べると、
「24%」
と、
「30%」
という二つの数字が出てきます。
同じ税率ではありません。
2026年10月31日までに有効な税務情報を登録していない場合、Robloxでは支払額全体に24%の「バックアップ源泉徴収」が適用される可能性があります。
一方、W-8などで米国外の利用者であることは確認できているものの、租税条約による免税や軽減税率を利用できない場合には、米国源泉のロイヤルティに対して最大30%が源泉徴収される可能性があります。
つまり、
税務情報なし。
有効なW-8あり。
租税条約の適用あり。
では同じ扱いではありません。
米国プレイヤー分だけが米国源泉になる
有効な税務情報を提出した米国外の利用者については、原則としてDevEx全額へ米国税がかかるわけではありません。
Robloxは、米国源泉所得を「おおむね米国プレイヤーによる購入に対応する収益」と説明しています。
たとえば、DevExの対象になった収益のうち、
日本のプレイヤー。
ヨーロッパのプレイヤー。
米国のプレイヤー。
からそれぞれ売上が発生している場合、米国税の対象を考えるときに中心となるのは米国プレイヤーに対応する部分です。
したがって、条約を利用できないからといって、必ずDevEx総額の30%が引かれるという意味でもありません。
3つの状態に分けると分かりやすい
仮にDevExで1000ドルを受け取る予定で、そのうち400ドル分が米国プレイヤーの購入に対応するとします。
実際の計算はRoblox側で行われますが、仕組みを理解するために単純化すると分かりやすくなります。
税務情報を登録していない状態では、支払額全体について24%のバックアップ源泉徴収が適用される可能性があります。
有効なW-8を登録しているものの条約による軽減を利用できず、米国源泉部分に30%が適用されるなら、対象となるのは米国源泉の400ドル部分です。
日米租税条約の使用料免税を適切に申請でき、0%として認められれば、米国源泉部分についても米国側の源泉徴収が0になる可能性があります。
大事なのは、
「DevEx=30%引かれる」
でも、
「日本人=絶対0%」
でもないことです。
2026年10月31日までに税務情報を確認する
Robloxは2026年7月15日からCreator HubにTaxesページを用意しています。
現在はすでに確認できます。
Creator Hubから、
Finances
↓
Taxes
へ進みます。
税務情報には、
未開始。
追加情報が必要。
確認中。
失敗。
有効。
などの状態が表示されます。
「Validated」と表示されていれば、現在Robloxに有効な税務書類が登録されています。
ただし、条約税率を利用したい場合は、有効な税務情報があることだけではなく、条約特典の申請内容も確認します。
「以前TipaltiでW-8を書いたから大丈夫」とは限らない
これまでDevExを利用していた人は、TipaltiでW-8などの税務書類を提出していることがあります。
しかし、2026年11月から税務情報の正式な管理場所はCreator Hubへ移ります。
そのため、
「去年Tipaltiで出したから何もしなくていい」
と決めず、Creator HubのTaxesを確認します。
Robloxが現在有効と判定している情報なら、その状態が表示されます。
不足があれば再登録を求められます。
10月15日と10月31日は意味が違う
Roblox公式には二つの日付が出てきます。
2026年10月15日は、新制度になる前にDevExの支払いを受けたい場合の推奨申請期限です。
2026年10月31日は、現在の制度の最終日であり、新制度向けの税務情報を整えておく重要な期限です。
ただし、
「10月31日にCash Outを押せば旧制度」
という意味ではありません。
新しい税務上の扱いを決めるのは、原則として実際の支払日です。
10月中に申請しても、支払い処理が11月1日以降になれば、新しいロイヤルティ扱いと米国源泉徴収の対象になる可能性があります。
旧制度で処理したいなら、申請日だけではなく処理完了まで考える必要があります。
2026年11月以降は1042-Sを確認する
米国外のDevEx利用者には、2026年分以降、「Form 1042-S」という米国の税務書類が発行されます。
これは、
米国源泉の所得がいくらだったか。
米国で税金がいくら源泉徴収されたか。
などを確認するための書類です。
2026年分以降はCreator HubのTaxesから取得できます。
日本で税務を確認するときにも関係する可能性があるため、保存しておいたほうがよいでしょう。
特に、
「思っていたより入金が少ない」
というときは、銀行への入金額だけを見ずに、1042-SやCreator Hubに表示された源泉徴収額を確認します。
古いDevEx記事では1042-Sの説明が違うことがある
ここも今回の制度変更で情報が混乱しやすいところです。
以前のRobloxサポート情報では、米国外の利用者について「通常は年次税務書類を受け取らない」という説明がありました。
しかし、2026年の新しいDevEx税務資料では、国外クリエーターについてForm 1042-SをCreator Hubから取得できると明記されています。
2026年11月以降の税務を確認するときは、古いDevEx解説より、新しい「DevEx tax information」の内容を優先します。
米国で税金が0%でも日本の税金が0になるわけではない
日米租税条約を利用して米国側の源泉徴収が0%になったとしても、
「DevEx収入は非課税になった」
という意味ではありません。
米国側で税金を引かないことと、日本でその収入に税金がかかるかどうかは別の問題です。
日本の居住者であれば、DevExで受け取った現実のお金について日本の所得税などを考える必要があります。
どの所得区分になるかは、
継続的に事業として行っているのか。
規模はどの程度か。
ほかの仕事との関係。
必要経費。
など個別の実態によって変わります。
「Robloxだから全部雑所得」と最初から決めないほうがよいでしょう。
逆に米国税が引かれた場合は記録を残す
米国で実際に所得税が源泉徴収された場合、日本側では「外国税額控除」という制度が関係する可能性があります。
これは、外国で所得税に相当する税を負担した場合に、一定の範囲で日本の所得税から差し引ける制度です。
ただし、外国で引かれた金額がすべて無条件で日本の税金から戻る制度ではありません。
控除できる上限もあります。
また、本来租税条約で免税になるはずだった税金が誤って引かれたケースなどは別途確認が必要になることがあります。
そのため、
DevExの支払明細。
源泉徴収額。
Form 1042-S。
銀行への入金額。
為替換算額。
を残します。
子どものDevExなら税務情報を親子で確認する
DevExは13歳以上から利用できます。
そのため、中学生や高校生が対象になることもあります。
Creator Hubに、
W-8。
TIN。
租税条約。
ロイヤルティ。
源泉徴収。
などの言葉が出てくると、子どもだけで判断するのは難しいでしょう。
少なくとも初回は、保護者も一緒に確認したほうがよいところです。
特に税務情報には本名、住所、生年月日、納税者番号などの重要な個人情報が含まれます。
Roblox公式も、税務情報をメールで送るのではなくCreator Hubから登録するよう案内しています。
税金を装ったフィッシングメールも考えられるため、
「W-8を提出してください」
というメールのリンクをそのまま開くのではなく、自分でCreator Hubへ入りTaxesを確認する方法が安全です。
2026年11月前に見る場所はここ
現在DevExを使っているなら、最初にCreator HubのTaxesを開きます。
そこで、
税務情報がValidatedになっているか。
米国外の個人として正しく登録されているか。
居住国が日本になっているか。
条約特典を申請する場合、その内容が正しいか。
追加書類を求められていないか。
を確認します。
何を入力するか分からない項目を、ネット記事を見て推測で埋める必要はありません。
特に税務上の居住地、納税者番号、租税条約の資格は個人の状況で変わることがあります。
分からない場合は税務の専門家へ確認します。
日本なら「米国税は絶対0円」と決めない
日米租税条約では、使用料について米国側の源泉地国課税を免除する仕組みがあります。
そのため、日本在住のDevEx利用者にとって重要な条約です。
しかし、
日本に住んでいる。
日本人である。
という事実だけで、自動的に0%になるとは考えません。
有効なW-8。
必要な納税者番号。
条約特典の申請。
Roblox側の確認。
までそろって初めて、自分のDevEx支払いに適用される税率が決まります。
その確認をせずに、
「日本なら0%らしいから放置」
するのが一番避けたい状態です。
11月以降に手取りが減ったら最初にTaxesを見る
2026年11月以降、
「以前よりDevExの入金が少ない」
となった場合、為替だけを疑わないようにします。
Creator HubのTaxesで、
米国源泉所得。
適用された源泉徴収率。
米国税として引かれた金額。
を確認します。
次にTipalti側で、
送金手数料。
為替手数料。
を確認します。
米国税とTipaltiの手数料は別です。
「入金が減った」という一つの結果でも、
米国源泉徴収。
支払手数料。
為替換算。
では原因が違います。
2026年11月の変更で一番大事なのは「税金が増える」ことではない
今回の変更を、
「11月からRobloxで米国税が取られる」
だけで理解すると少し違います。
重要なのは、DevExの支払いが米国税務上ロイヤルティとして扱われ、税務情報によって源泉徴収率を個別に判定する仕組みへ明確に移ることです。
日本の利用者なら、
税務情報を登録していない。
有効なW-8を登録した。
日米租税条約を正しく申請した。
では結果が同じではありません。
2026年11月1日以降のDevExで見るべきなのは、
**「米国税がかかるか」ではなく、「自分の税務情報では、米国源泉部分に何%が適用されているか」**です。
その数字をCreator Hubで確認できる状態にしておくことが、今回の制度変更で最初に必要な対応です。
出典
Roblox|DevEx tax information
2026年11月1日からのロイヤルティ扱い、米国源泉徴収、W-8、租税条約、Form 1042-Sに関する公式資料
Roblox|Roblox Developer Exchange Program
DevExの参加条件・支払い手続きに関する公式資料
Roblox|納税およびDevExポータル(Tipalti)についての情報
支払い方法・手数料・税務情報に関する公式資料
IRS|Instructions for Form W-8BEN
米国外の個人が外国人であることや租税条約による軽減・免除を申告するW-8BENの公式説明
IRS|Claiming Tax Treaty Benefits
租税条約による米国源泉徴収の軽減・免除申請に関する公式資料
財務省|日米租税条約のポイント
日米租税条約における使用料の源泉地国免税についての資料
国税庁|居住者に係る外国税額控除
外国で所得税を負担した場合の日本の外国税額控除に関する資料

