ロブロックスには、自分で作ったゲームやアイテムなどから正当に稼いだRobux(ロバックス)を、現実のお金へ換える公式制度があります。
子どもが実際にお金を受け取るようになると、次に気になるのが税金です。
結論からいうと、未成年だから税金を考えなくてよいわけではありません。
ただし、「10万円換金したら10万円全部に税金がかかる」という見方でもありません。
親が最初に確認したいのは、
「今年いくら換金したか」
だけではなく、
「子ども本人の収入はいくらで、その収入を得るためにいくら使ったか」
です。
そこから子ども本人の所得税、親の扶養、住民税、海外で引かれた税金を別々に確認します。
- 税金を見るときは「換金額」と「所得」を分ける
- 子どもの収入なら、原則として子ども本人の所得として考える
- 「雑所得」と決めつける前に、制作の実態を見る
- 2026年なら、子ども本人の所得が104万円以下かが一つの目安
- 子ども本人に所得税がなくても、親の扶養に影響することがある
- 16歳未満は、もともと所得税の扶養控除の対象ではない
- 19歳から22歳なら、さらに別の扶養ルールがある
- 税金の「扶養」と健康保険の「扶養」は同じではない
- 「現金化した日だけが税金の発生日」とは限らない
- 少額の活動では、現金の受取時期を基準にできる特例もある
- ドルで受け取るなら日本円での記録も必要になる
- 2026年11月1日からは米国側の税金にも注意する
- 日本在住なら税務情報を正しく登録する
- 米国で税金を引かれたら、日本では二重に払うだけとは限らない
- 住民税は所得税とは別に確認する
- 最初の1円から全部を税理士に頼む必要はない
- 友達と作ったゲームなら「誰の収入か」を先に決める
- 親が見る順番は「換金額→税率」ではない
- 出典
税金を見るときは「換金額」と「所得」を分ける
たとえばロブロックスから年間50万円を受け取ったとします。
税金を考えるときに重要なのは、その50万円だけではありません。
ゲーム制作のために必要な素材を買った。
制作に必要なサービスを利用した。
支払いを受け取るための手数料がかかった。
といった費用のうち、税務上必要経費として認められるものがあれば、収入から差し引いて所得を計算します。
基本的な考え方は、
収入-必要経費=所得
です。
たとえば50万円を受け取り、税務上認められる必要経費が10万円なら、所得を考える出発点は40万円になります。
親が見るのは「ロブロックスからいくら入金されたか」だけではありません。
子どもの収入なら、原則として子ども本人の所得として考える
子どものアカウントでゲームを作り、子ども本人が収益を得て、子どもの名前で現金化するのであれば、原則として子ども本人の収入として考えます。
「未成年だから親の収入に合算する」という仕組みではありません。
ロブロックスも、現金化の申請、支払い情報、税務情報について、Robloxアカウント所有者本人の名前と情報を使用するよう案内しています。
銀行振込を使う場合も、支払いサービスに登録した名前と口座名義を一致させる必要があります。
親は手続きを手伝えますが、子どもの収益だからと親名義の収入へ置き換える話ではありません。
「雑所得」と決めつける前に、制作の実態を見る
ロブロックスの収入について検索すると、
「雑所得です」
と説明されることがあります。
小規模にゲーム制作を続けて得ている収益なら、「業務に係る雑所得」として扱うケースは考えられます。
ただし、すべてのRoblox収入が必ず雑所得になるとは限りません。
国税庁は、事業所得になるかどうかを、その活動が社会通念上「事業」と呼べる程度で行われているかなどで判断するとしています。
たとえば、
継続して複数のゲームを運営している。
大きな売上がある。
帳簿を付けている。
外注や広告なども利用して事業として運営している。
という状態になれば、小遣い程度の制作活動と同じとは限りません。
「子どもだから必ず雑所得」という基準もありません。
規模が大きくなったら所得区分を税務署や税理士へ確認する方が確実です。
2026年なら、子ども本人の所得が104万円以下かが一つの目安
2026年分の所得税では、合計所得金額が132万円以下の人の基礎控除は104万円です。
基礎控除とは、所得税を計算するときに所得から差し引ける基本的な控除です。
そのため、ほかに所得がなく、ロブロックスから得た所得だけで考える場合、所得が104万円以下であれば、基礎控除を差し引いた後の課税所得は基本的に0円になります。
ここでも見るのは「売上」や「換金額」ではなく所得です。
たとえば年間120万円を受け取っていても、税務上認められる必要経費が20万円なら、所得は100万円です。
逆に換金額が100万円でも、経費がほとんどなければ所得も100万円に近くなります。
なお、この104万円という金額は2026年分の制度です。
税制改正で変わるため、翌年以降も同じとは限りません。
子ども本人に所得税がなくても、親の扶養に影響することがある
ここは特に注意したいところです。
子ども本人の所得税と、親が受ける扶養控除は別の基準です。
2026年分の場合、16歳以上の子どもを親の所得税上の扶養控除の対象にするには、原則として子どもの合計所得金額が62万円以下であることが必要です。
一方、子ども本人の基礎控除は、低所得の場合104万円あります。
そのため、たとえば17歳の子どもにロブロックスの所得が80万円あり、ほかに所得がない場合を考えます。
子ども本人については、104万円の基礎控除の範囲内なので、所得税が発生しない可能性があります。
しかし80万円は、親が扶養控除を受けるための62万円を超えています。
つまり、
「子ども自身には所得税がかからない」
のに、
「親の扶養控除には影響する」
ということが起こり得ます。
親が確認したいのは子どもの税額だけではありません。
16歳未満は、もともと所得税の扶養控除の対象ではない
13歳、14歳、15歳の子どもがロブロックスから収入を得るケースもあります。
この年齢では、所得税の扶養控除については少し話が違います。
所得税上、16歳未満の子どもには、もともと扶養控除がありません。
そのため、
「子どもの所得が62万円を超えたから、親の扶養控除38万円がなくなる」
という説明は16歳未満には当てはまりません。
最初から所得税の扶養控除38万円の対象ではないからです。
ただし、住民税の判定や健康保険、そのほか所得を基準とする制度には影響する場合があります。
「所得税の扶養控除がない=子どもの収入を何も確認しなくてよい」ではありません。
19歳から22歳なら、さらに別の扶養ルールがある
大学生年代になると、扶養の仕組みはさらに変わります。
2026年分では、19歳以上23歳未満について、子どもの所得が62万円を超えた場合でも一定範囲なら「特定親族特別控除」という仕組みがあります。
そのため、
「62万円を1円超えたら親の控除がすべてゼロ」
とは限りません。
子どもの年齢が19歳以上なら、一般的な扶養控除だけではなく、特定親族特別控除の対象になるかも確認します。
税金の「扶養」と健康保険の「扶養」は同じではない
親が会社員なら、健康保険で子どもを扶養に入れていることもあります。
これは所得税の扶養とは別制度です。
協会けんぽの場合、一般的には被扶養者の年間収入130万円未満などの基準があります。
19歳以上23歳未満については、現在150万円未満という基準があります。
ただし、自営業などの収入について健康保険上差し引ける経費は、所得税の必要経費と同じとは限りません。
「税金の所得が104万円以下だから健康保険も大丈夫」とは判断しないでください。
収益が大きくなってきたら、加入している健康保険へ別に確認します。
「現金化した日だけが税金の発生日」とは限らない
ロブロックスでは、ゲームの売上によってRobuxが増え、その後に現実のお金へ換えるという二段階があります。
では、
「現金へ換えた年だけ税金を考えればいいのか」
という問題が出てきます。
日本の所得税では、原則として、実際にお金を受け取った日だけで収入時期を判断するわけではありません。
国税庁は、その年に「収入する権利が確定した金額」を収入として考えるとしています。
いつ権利が確定したかは、取引の内容、契約、慣習などによって判断します。
そのため、
「Robuxを獲得した時点では絶対に税金と無関係で、現金化した日に初めて所得になる」
と一律には断定できません。
ロブロックス上で収益が大きくなり、年をまたいで大量のRobuxを保有してから現金化するような場合は、どの年の収入として扱うかを税務署や税理士へ確認した方が安全です。
少額の活動では、現金の受取時期を基準にできる特例もある
所得が「業務に係る雑所得」に当たり、一定の小規模な条件を満たす場合には、実際に収入した金額や支出した費用を基準にする「現金主義」の特例を使える場合があります。
ただし、これは何もしなくても全員に自動適用されるルールではありません。
所得区分や過去の収入額など条件があります。
「子どものRoblox収入だから入金日だけ記録しておけばよい」と最初から決めず、収入が大きくなった時点で計上方法も確認します。
ドルで受け取るなら日本円での記録も必要になる
現金化による支払い額は米ドルを基準にしています。
日本で所得税を計算するときは、日本円で所得を計算する必要があります。
そのため、
「今年は500ドルもらった」
だけでは税務記録として十分ではありません。
いつの収入として計上するのか。
そのとき日本円でいくらになるのか。
実際に銀行へいくら入金されたのか。
為替手数料などがいくらだったのか。
を確認できるようにしておきます。
年末にまとめて調べようとすると、換金時の画面や取引記録が探しにくくなります。
現金化したら、その都度記録を残す方が簡単です。
2026年11月1日からは米国側の税金にも注意する
2026年にロブロックスで現金化する家庭には、もう一つ大きな変更があります。
2026年11月1日から、ロブロックスは現金化による支払いを、米国の税務上「ロイヤルティ」として扱います。
ロイヤルティとは、簡単にいえば、著作物などを利用することに対して支払われるお金です。
日本など米国外のクリエーターについても、米国のプレイヤーによる購入から生じた収益部分について、米国で税金を差し引かれる場合があります。
ロブロックスの案内では、有効な税務情報を提出した米国外のクリエーターについて、居住国や租税条約の適用状況によって、米国由来の収益部分に0%から30%の源泉税が適用される可能性があるとしています。
日本在住なら税務情報を正しく登録する
日本の個人が米国外の利用者として登録する場合、ロブロックスでは「W-8BEN」という米国の税務書類を使用します。
名前だけ見ると難しく感じますが、
「私は米国の納税者ではなく、日本など米国外の居住者です」
ということなどを米国側へ申告するための書類です。
2026年11月1日以降に租税条約による米国税の軽減を受けるには、税務情報を正しく提出し、納税者番号など必要な情報を登録する必要があります。
子どものアカウントだからと親の氏名へ置き換えず、ロブロックスが求めるアカウント所有者本人の情報で手続きを進めます。
米国で税金を引かれたら、日本では二重に払うだけとは限らない
米国側で所得税に相当する税金が差し引かれた場合、日本の所得税でも同じ所得が課税対象になることがあります。
そこで日本には「外国税額控除」という制度があります。
簡単にいえば、一定の外国所得税を負担している場合、日本の所得税から一定額を差し引く仕組みです。
ただし、米国で引かれた税金が必ず全額戻るわけではありません。
日本側の所得税額などによって控除できる上限があります。
2026年分から、米国外のクリエーターにはロブロックスから「Form 1042-S」という米国側の年間税務書類が発行されます。
米国由来の収入や引かれた税金を確認する資料なので、確定申告を考える場合は保存しておきます。
住民税は所得税とは別に確認する
所得税が0円なら、税金の確認が全部終わるわけではありません。
住民税は、原則として前年の所得を基に、住んでいる都道府県と市区町村で課税されます。
さらに未成年者には、一般の人とは別の非課税基準があります。
具体的な申告方法や非課税判定については、その子どもが住んでいる市区町村で確認してください。
同じ「税金」でも、国へ払う所得税と、市区町村・都道府県に関係する住民税は別制度です。
特にロブロックスの収益が増え始めた翌年は、住民税についても忘れず確認します。
最初の1円から全部を税理士に頼む必要はない
ゲームが初めて100ドル程度を生んだ。
この段階で、いきなり複雑な税務管理を始めなければならないという意味ではありません。
まず家庭で残しておきたいのは、
ロブロックスから受け取った金額。
現金化した日。
ドル建ての支払額。
実際に入金された日本円。
米国で税金が引かれた場合の金額。
ゲーム制作に使った費用と領収書。
です。
この記録があれば、金額が増えたときに後から判断しやすくなります。
収益が継続的に増え、年間数十万円、100万円単位へ近づいてきたら、所得区分や申告の要否を具体的に確認する段階です。
友達と作ったゲームなら「誰の収入か」を先に決める
子ども一人でゲームを作っている場合は比較的分かりやすいですが、友達との共同制作では別の問題があります。
たとえばゲームが100万円相当を生み、
「二人で作ったから50万円ずつ」
という約束だったとします。
一人のアカウントで100万円全部を現金化してから、あとで友達へ現金で半分渡すと、誰にどの収入が発生したのかが分かりにくくなります。
グループ所有ゲームなら、ロブロックス内でメンバーへ収益を分配する公式機能があります。
可能であれば、現金化する前に誰の制作収益なのかを整理しておく方が、税務上の記録も分かりやすくなります。
親が見る順番は「換金額→税率」ではない
子どもが、
「ロブロックスで20万円稼いだ」
と言ってきたら、最初に税率を調べる必要はありません。
まず、
その20万円は誰の収入なのか。
必要経費を引いた所得はいくらか。
今年ほかの所得はあるか。
子どもは何歳か。
16歳以上なら親の扶養控除に影響しないか。
住民税はどうなるか。
米国で税金を引かれていないか。
を順番に確認します。
特に2026年は、子ども本人の基礎控除が104万円である一方、16歳以上の子を親の扶養控除に入れる所得要件は62万円です。
だから、
「子ども本人に所得税がかからなかったから何も問題ない」
ではありません。
子どもの収入が増えてきたときは、本人の税金と家族側への影響を分けて確認する。
これが、ロブロックスの換金と税金を考えるときの一番重要なポイントです。
出典
Roblox Creator Hub|DevEx tax information
2026年11月1日からの米国税務上の取扱い、米国外クリエーターの税務情報、米国源泉税、Form 1042-Sについて確認した公式資料。
Roblox|納税およびDevExポータル(Tipalti)についての情報
支払先・税務情報・名義・支払方法について確認した公式資料。
Roblox Creator Hub|Roblox Developer Exchange Program
稼いだRobuxを現金へ換える公式制度と現在の参加条件を確認した公式資料。
国税庁|No.2200 収入金額とその計算
国税庁|No.1500 雑所得
国税庁|所得税基本通達 法第35条《雑所得》関係
国税庁|No.1199 基礎控除
国税庁|No.1180 扶養控除
国税庁|No.1240 居住者に係る外国税額控除

