「ゲームは1日1時間」
と決めていたのに、子どもがロブロックスで自分のゲームを作り始めた。
すると、
「作っているだけだからゲーム時間じゃない」
と言われるかもしれません。
確かに、他人のゲームを遊ぶことと、自分でゲームを作ることは同じではありません。
ただし、
「作る時間は勉強だから、何時間でもゲーム時間に入れなくていい」
とするのも違います。
分けて考えた方が分かりやすくなります。
健康や生活リズムを見るときは、制作もパソコンの画面を見ながら座っている時間なので、画面時間として考えます。
一方、家庭で「娯楽としてゲームを遊ぶ時間」を決めるなら、自分のゲームを実際に作っている時間は別枠にできます。
つまり、
「ゲーム時間に入るか、入らないか」
の一択ではありません。
何のために時間を数えているのかを先に決めます。
- 同じロブロックスでも「遊ぶ」と「作る」は別
- ただし「制作だから画面時間ではない」は違う
- 「ゲーム時間」と「画面時間」を一つにすると判断しにくい
- おすすめは「娯楽時間」と「画面全体」の二つを見ること
- 「Studioを開いたら学習時間」にはしない
- 作る目的があれば制作時間として分けやすい
- テストなのか普通に遊んでいるのかは目的を見る
- 他人のゲームで遊ぶ時間も、全部無駄とは限らない
- 学習用ゲームを遊んでいる場合もある
- 「学習なら無制限」にすると別の問題が出る
- 時間そのものより「何を押し出しているか」を見る
- それでも制作時間には区切りが必要
- 途中でやめられないなら「次にやること」を残す
- 親は「今日は何分?」より「今日は何した?」を聞く
- 「作るならゲーム時間は2倍」のような換算はしなくていい
- 学習時間にするなら「成果」を求めすぎない
- 子どもと一緒にルールを作る
- Roblox側の時間制限だけでは「遊び」と「制作」を全部判定できない
- 共同制作を始めたら時間だけでなく相手も確認する
- 迷ったら「二つのものさし」で考える
- 出典
同じロブロックスでも「遊ぶ」と「作る」は別
ロブロックスは一つのゲームではありません。
いろいろな人が作ったゲームへ入って遊べるサービスです。
一方、自分でロブロックスのゲームを作るときには、Roblox Studio(ロブロックス・スタジオ)という別の無料ソフトを使います。
簡単にいえば、ゲームを遊ぶための画面ではなく、自分でゲームの世界や仕組みを作るためのソフトです。
Studioでは、
建物を作る。
地形を作る。
アスレチックコースを作る。
キャラクターの動きを考える。
ゲームのルールを作る。
プログラムを書く。
不具合を探して直す。
といったことができます。
そのため、通常のゲームを1時間遊ぶのと、Studioで1時間プログラムの不具合を直しているのを、家庭でまったく同じ活動として扱う必要はありません。
ただし「制作だから画面時間ではない」は違う
ここで、二つの時間を分けます。
一つは「何をしているか」を見る時間。
もう一つは「体がどう過ごしているか」を見る時間です。
Studioでプログラムを書いていても、
パソコンの前に座っている。
画面を見ている。
体をほとんど動かしていない。
という状態自体は変わりません。
そのため健康や生活リズムを考えるときには、制作も画面時間として見ます。
「勉強だから何時間座っていても問題ない」
とは考えません。
宿題をパソコンで4時間続けても休憩が必要なのと同じです。
「ゲーム時間」と「画面時間」を一つにすると判断しにくい
家庭で混乱しやすいのは、
「ゲーム時間」
という一つの箱へ全部入れようとすることです。
たとえば子どもが、
ロブロックスを1時間遊んだ。
Studioで1時間ゲームを作った。
学校のパソコン課題を1時間した。
とします。
画面の前にいた時間で考えれば3時間です。
しかし娯楽ゲームとして遊んだ時間は1時間です。
「ゲームは1日1時間だから、Studioはもう使えない」
とすれば、制作も遊びと同じ扱いになります。
反対に、
「残り2時間は勉強だから画面時間ゼロ」
とするのも実態と合いません。
家庭では、この二つを別に考えた方が整理できます。
おすすめは「娯楽時間」と「画面全体」の二つを見ること
たとえば家庭では、
「遊ぶゲームはここまで」
という娯楽側のルールを一つ持ちます。
それとは別に、
睡眠は取れているか。
外へ出たり体を動かしたりしているか。
食事中まで画面を見ていないか。
宿題や学校の準備が終わっているか。
家族との時間まで削っていないか。
という生活全体を見ます。
制作時間は、前者では別枠にしても構いません。
しかし後者では画面を使っている時間として見ます。
こうすると、
「勉強だから無制限」
にも、
「パソコンだから全部ゲーム」
にもなりません。
「Studioを開いたら学習時間」にはしない
ここでもう一つ問題があります。
子どもが、
「ゲームを作っていた」
と言っていても、実際に何をしていたかは分かりません。
Studioを開いたまま動画を見ていた。
友達と話していた。
他人の作品を延々と見ていた。
自分が作ったゲームを何度も普通に遊んでいた。
という場合もあります。
ソフトの名前だけで、
Roblox=遊び。
Studio=勉強。
と分けると抜け道になります。
見るべきなのは、Studioを開いていたかではありません。
その時間に何をしていたかです。
作る目的があれば制作時間として分けやすい
たとえば、
「今日はスタート地点からゴールまで作る」
「触ると消える床を作る」
「昨日動かなかった扉を直す」
という目的がある。
実際に建物やプログラムを変更する。
途中で何度か自分のゲームを動かして確認する。
問題があればまたStudioへ戻って直す。
これは制作として分けやすい時間です。
ゲームを動かしている時間があっても、
「作った仕掛けが正常に動くか確認する」
ためなら制作の一部です。
テストなのか普通に遊んでいるのかは目的を見る
ここは家庭で一番揉めやすいところかもしれません。
子どもは自分のゲームを10分、20分と遊びながら、
「テストしてる」
と言うかもしれません。
本当にテストしている場合もあります。
そこで、
「何を確認しているの?」
と聞きます。
「このジャンプで届くか見ている」
「ここで点数が増えるか確認している」
「友達と入ったときも扉が開くか試している」
と目的が説明できれば、制作の一部と考えられます。
一方、
「別に。普通に遊んでる」
となれば、そこからは娯楽時間です。
何分経ったら自動的に遊びへ変わる、という境界ではありません。
何を確かめるために動かしているのかを見る方が判断しやすくなります。
他人のゲームで遊ぶ時間も、全部無駄とは限らない
反対に、
「他人のゲームを遊ぶ=全部ただの娯楽」
とも限りません。
自分のゲームを作っている子が、
「このゲームはどうやってスタート地点を説明しているんだろう」
「この店の画面はどうなっている?」
と参考にするために他人のゲームへ入る場合もあります。
絵を描く人がほかの作品を見るのと似ています。
ただし、
「研究だから」
と言えば何時間でも遊べるルールにする必要はありません。
何を見るのか。
自分の作品へ何を持ち帰るのか。
目的があるかで見ます。
学習用ゲームを遊んでいる場合もある
ロブロックスには、ただ楽しむゲームだけでなく、学習を目的に作られたものもあります。
歴史。
物理。
自然科学。
プログラミング。
などをゲーム形式で学べるものがあります。
そのため、Robloxの通常のゲーム画面を使っているだけで、
「今日は全部遊び」
とも言い切れません。
逆に「教育用」と書いてあるだけで何時間でもよいわけでもありません。
何を学ぶために使っているのかと、生活への影響の両方を見ます。
「学習なら無制限」にすると別の問題が出る
子どもがStudioでゲーム制作に夢中になることはあります。
夕食になっても、
「あと少し」
寝る時間になっても、
「このエラーだけ直したい」
となるかもしれません。
これは普通のゲームで、
「この試合が終わるまで」
と言うのと似た状態になることがあります。
作ることに集中しているのは良い面があります。
しかし、
睡眠時間を削る。
食事が遅れる。
外へ出なくなる。
運動をしなくなる。
宿題を後回しにする。
という状態になれば、「学習だから」という分類だけでは足りません。
作る内容の価値と、生活への影響を別々に見ます。
時間そのものより「何を押し出しているか」を見る
画面時間については、
「絶対に1日○時間まで」
という一つの数字だけで考えない方法も広がっています。
重要なのは、その時間が何を押し出しているかです。
たとえば制作が2時間でも、
宿題を終えている。
十分寝ている。
外でも遊んでいる。
家族との食事にも参加している。
なら問題の見え方は違います。
同じ2時間でも、
寝る時間が遅くなる。
朝起きられない。
学校へ行く準備ができない。
ずっと座ったままになる。
となっているなら見直す必要があります。
「2時間だから安全」「3時間だから危険」と時間だけで切らず、生活のどこへ影響が出ているかを見ます。
それでも制作時間には区切りが必要
時間だけで決めないからといって、終了時間が不要という意味ではありません。
制作は途中でやめにくい活動です。
プログラムの途中。
建物の途中。
エラーを直している途中。
になりやすいためです。
そこで、
「19時30分になったら強制終了」
だけではなく、
「19時15分から新しい作業を始めない」
という決め方もできます。
残り15分で、
保存する。
次にやることをメモする。
ゲームを一度動かして確認する。
ところまで行います。
作る活動には、終わり方まで用意する方が切り替えやすくなります。
途中でやめられないなら「次にやること」を残す
制作中の子どもがやめたがらない理由には、
「ここまで考えたのを忘れそう」
というものがあります。
そこで、
「扉のコードのここを直す」
「次は敵を2体にする」
「この部分の色を変える」
とメモを残して終了します。
次回はそこから始められます。
ゲームの勝敗がつくまで続けるのとは違い、制作は自分で区切りを作る力も必要になります。
これも制作の一部として覚えていけます。
親は「今日は何分?」より「今日は何した?」を聞く
親がロブロックスの制作内容を理解していなくても構いません。
毎回コードを見る必要もありません。
「今日は何を作ったの?」
と聞きます。
「建物を作った」
「扉を動かした」
「エラーが直った」
「ほとんどゲームを遊んでた」
子ども自身が説明すれば、その日の時間の中身が見えてきます。
親子で、
「今日は制作が多かったね」
「今日は遊びが多かったね」
と確認できます。
時間を監視するより、子ども自身が自分の使い方を分けられるようにする方が、後々の自己管理にもつながります。
「作るならゲーム時間は2倍」のような換算はしなくていい
家庭ルールを細かくしすぎると、
遊び30分=30分。
制作1時間=ゲーム30分換算。
勉強用ゲーム45分=15分換算。
のようになってしまいます。
これでは親も子どもも管理が難しくなります。
もっと単純に、
娯楽として遊ぶ時間。
目的を持って作る時間。
画面から離れる時間。
の三つを見るだけでも十分です。
「制作なら半分扱い」といった計算より、
制作時間でも生活を圧迫したら終了する。
という境界の方が使いやすくなります。
学習時間にするなら「成果」を求めすぎない
制作を「学習時間」と呼ぶと、今度は親が、
「今日は何を勉強したの?」
「何か完成したの?」
「プログラムを何行書いた?」
と成果を求めたくなることがあります。
しかし、制作では1時間かけてもエラーが直らないことがあります。
作ったものを全部消してやり直すこともあります。
それでも、
何がおかしいか調べた。
試した。
別の方法を考えた。
なら制作の時間です。
完成品ができたかだけで、学習か遊びかを決めない方がよいでしょう。
子どもと一緒にルールを作る
親が、
「Studioは勉強だから無制限」
と決める必要も、
「パソコンは全部1時間」
と決める必要もありません。
たとえば家庭で、
「遊ぶロブロックスは1日ここまで」
「Studioで作る時間は別。でも夕食・宿題・睡眠は削らない」
「夜○時にはStudioも終了」
「1時間続けたら一度画面から離れる」
という形で話し合えます。
年齢や学校生活によってルールは変えて構いません。
重要なのは、なぜそのルールがあるのかを子どもも理解していることです。
Roblox側の時間制限だけでは「遊び」と「制作」を全部判定できない
Robloxには、保護者が子どもの利用時間を確認し、1日の上限を設定する機能があります。
過去1週間によく遊んだゲームも確認できます。
これは利用時間を把握するには便利です。
ただし、家庭で、
「これは作品制作だった」
「ここから普通に遊んでいた」
といった活動の意味まで自動で判断してくれるわけではありません。
特にStudioを使った制作については、親子で使い方を確認する必要があります。
時間管理機能は補助として使い、家庭の判断そのものを機械へ任せない方が分かりやすいでしょう。
共同制作を始めたら時間だけでなく相手も確認する
子どもが一人でゲームを作っているうちは、制作時間の管理が中心です。
しかし上達すると、
友達と一緒に作る。
インターネットで知り合った人と共同制作する。
ということもあります。
その場合は「学習だから何時間でも」だけでなく、誰と作っているかも確認します。
Robloxには、16歳未満の子どもについて、Studioで誰と共同作業できるかを保護者が管理する仕組みがあります。
作る活動には学習面がありますが、オンライン上の安全確認が不要になるわけではありません。
迷ったら「二つのものさし」で考える
ロブロックスを作る時間もゲーム時間に入れるべきか。
一つの答えにする必要はありません。
一つ目のものさしは、活動の中身です。
普通にゲームを遊んでいるのか。
参考のために見ているのか。
自分のゲームを作っているのか。
プログラムを考えているのか。
不具合を直しているのか。
ここで娯楽と制作を分けます。
二つ目のものさしは、生活への影響です。
寝る時間は守れているか。
体を動かしているか。
宿題や学校生活へ影響していないか。
家族との時間を全部押し出していないか。
こちらでは、遊びか制作かに関係なく見ます。
だから、
「制作はゲーム時間から全部除外」
でも、
「画面を使うものは全部同じゲーム時間」
でもありません。
作る時間は娯楽ゲームとは別に扱ってよい。しかし、画面を見て座っている時間であることまで消えるわけではない。
この二つを分ければ、ロブロックスを学びや創作へ広げながら、生活時間まで無制限にしない家庭ルールを作れます。
出典
Roblox|Intro to Roblox
ロブロックスで「遊ぶ」と「作る」が別の活動であること、Studioを教育・制作に利用できることを確認した公式資料。
Roblox Creator Hub|Frequently asked questions
ゲームを遊ぶソフトとゲーム制作ソフトの違い、Studioでのゲーム制作・プログラミングについて確認した公式資料。
Roblox Creator Hub|Education content
Studioがゲーム制作、プログラミング、立体制作などの学習に使われていることを確認した公式資料。
Roblox Support|Managing Screen Time
保護者によるRoblox利用時間の確認と1日上限設定について確認した公式資料。
Roblox Support|Roblox Studio Parental Controls
16歳未満の子どものStudio共同制作相手を管理する仕組みについて確認した公式資料。
厚生労働省|「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:こども版
子どもの身体活動、座位時間、スクリーンタイムについて確認した公的資料。
American Academy of Pediatrics|Digital Ecosystems, Children, and Adolescents: Policy Statement
単純な利用時間だけでなく、内容、生活への影響、家庭での対話などを含めてデジタル利用を考える現在の指針を確認した資料。
American Academy of Pediatrics|The 5 Cs of Media Use
画面利用が睡眠・外遊び・家族時間などを押し出していないかを見る考え方を確認した資料。
文部科学省|家庭でのICT端末の使い方を考えよう
家庭で端末を使う時間・場所などを子どもと一緒に考える考え方を確認した公的資料。

