子どもがロブロックスばかり|やめさせる前に親が確認したいこと

学校から帰るとロブロックス。

夕食が終わるとロブロックス。

休みの日も朝からロブロックス。

何度「もう終わり」と言ってもやめようとしないと、

「このままで大丈夫なの?」

「いっそロブロックスを禁止したほうがいいのでは?」

と考える親もいるでしょう。

ただ、最初に見るべきなのは「1日何時間やっているか」だけではありません。

確認したいのは、

「その時間に何をしているのか」

「ロブロックス以外の生活がどうなっているのか」

です。

ゲームを何時間もしたから、それだけで「依存」と決まるわけではありません。

反対に、時間だけは短くても、ゲームを優先して睡眠や学校、食事、家族との約束などが崩れているなら対応を考える必要があります。

そしてロブロックスの場合、もう一つ見落としやすい点があります。

子どもはゲームだけをしているとは限りません。

友達と会っている、話している、何かを作っている場合もあります。

いきなり「ロブロックス禁止」にする前に、まずそこを確認してみましょう。

「何時間やった?」より先に「何をしていた?」を見る

ロブロックスは、1本のゲームではありません。

さまざまな人が作ったゲームが一つの場所に集まっています。

一つのゲームを繰り返し遊ぶ子もいれば、次々に違うゲームを探す子もいます。

学校の友達と待ち合わせて遊んでいる子もいます。

チャットで話していることもあります。

さらに、パソコンでは「Roblox Studio(ロブロックス・スタジオ)」という無料の制作ソフトを使って、自分でゲームを作ることもできます。

親から見れば、

「またロブロックスを3時間やっていた」

で同じです。

しかし子どもの側では、

3時間ゲームで勝とうとしていた

のと、

友達4人と遊んでいた

のと、

自分のゲームを作っていた

のでは意味が違います。

まず、

「今日、ロブロックスで何してた?」

と聞いてみるところから始めます。

友達と遊んでいるなら「ゲームをやめる」が「友達から抜ける」になることがある

ロブロックスをやめない理由が、ゲームそのものとは限りません。

オンライン上で友達と一緒に遊んでいる場合があります。

たとえば、

「8時にみんなで集まろう」

と約束している。

4人で協力して何かを進めている。

学校で翌日そのゲームの話をする。

このような使い方なら、子どもにとってロブロックスはゲーム機であると同時に、友達と集まる場所にもなっています。

その最中に突然、

「もう終わり。電源切るよ」

となれば、子ども側からするとゲームが中断するだけではありません。

友達との約束から突然抜けることにもなります。

もちろん、それを理由に何時間でも許す必要はありません。

ただ、

「今すぐやめられる遊びなのか」

「あと10分で一緒に遊んでいる相手と区切れるのか」

では、終了の決め方を変えられます。

ロブロックスをやめないときは、

「今、一人でやってる?」

「友達とやってる?」

と聞くだけでも状況がかなり変わります。

作っているなら、遊んでいる時間と分けて考える

もう一つロブロックス特有なのが、「作る側」に回れることです。

パソコンを使って、

建物を置く

コースを作る

キャラクターの動きを作る

プログラムを書く

といったゲーム制作ができます。

子どもが何時間もパソコンに向かっているため、

「今日もゲームばかり」

と思っていたら、実際には自分のゲームを作っていたということもあり得ます。

もちろん、制作なら何時間でもよいという意味ではありません。

夜中まで続けて睡眠不足になれば問題です。

ただ、

「ゲームで遊んでいる時間」

と、

「何かを作っている時間」

を一緒にして「ゲームは禁止」にすると、子どもが何に熱中しているのかを見落とします。

「今日は遊んでた?作ってた?」

と聞いてみるだけでも違います。

長時間でも、まず見るのは生活が崩れているか

ゲームの利用時間は分かりやすいため、親はどうしても、

「1日3時間だから多い」

「1時間なら大丈夫」

と時間で判断したくなります。

しかし、ゲームの問題を考えるときは、時間だけでは判断できません。

たとえば毎日ロブロックスをしていても、

朝は起きられる

学校へ行ける

宿題もできている

食事を一緒に取れる

十分に眠れている

ほかのことにも興味がある

家族や友達とも普通に接している

のであれば、「長時間やっている」という一点だけで深刻な状態とは判断できません。

反対に、

夜遅くまで続けて朝起きられない

遅刻や欠席が増えた

食事を飛ばしてゲームをする

風呂に入らなくなった

ゲームのために宿題や約束を何度も放置する

課金するために隠れてお金を使う

ゲームを止めようとすると毎回大きなトラブルになる

といった変化が出ているなら、時間以外の部分まで見る必要があります。

「何時間したか」ではなく、

「ロブロックスのために何ができなくなっているか」

を見るほうが判断しやすくなります。

「やめると怒る」だけで依存とは決めない

終了時間になって、

「まだやりたい!」

と怒る。

親が声をかけると不機嫌になる。

これだけでゲーム障害と決めることはできません。

子どもが夢中になっているものを突然止められれば、反発することはあります。

オンラインゲームなら、ちょうど対戦中だったり、友達と一緒に何かをしていたりして、その瞬間には止めにくいこともあります。

見るべきなのは、一度怒ったかではありません。

ゲームを自分で止めることがほとんどできない状態が続いているか。

生活上の問題が起きているのに、それでもゲームを優先しているか。

「明日学校だから今日は早く寝る」といった調整がまったくできなくなっているか。

ゲーム以外の活動が次々なくなっているか。

そこまで見ていきます。

本当に心配なのは「ロブロックスしかなくなっている」とき

時間より気になるのが、

「楽しいことがロブロックスしかない」

という状態です。

以前は外で遊んでいた。

本を読んでいた。

絵を描いていた。

家族と出かけていた。

ほかのゲームも遊んでいた。

ところが今は、

「ロブロックス以外は何もしたくない」

となっている。

さらに、

学校が嫌だからロブロックスをする

嫌なことがあるとロブロックスに逃げ込む

現実の友達とは話さず、オンラインの中にしか居場所がない

という状態なら、単に時間を減らすだけでは解決しないことがあります。

ロブロックスが原因だから生活が崩れた場合もあれば、学校や人間関係など別の問題があり、ロブロックスが逃げられる場所になっている場合もあるからです。

「ゲームを取り上げれば元に戻る」とは限りません。

やめさせる前に「何がそんなに楽しいの?」と一度聞く

親にとって興味のないゲームでも、子どもには理由があります。

勝てるのが楽しい。

欲しいアイテムを集めたい。

友達と話したい。

毎日少しずつ育てているものがある。

自分で作った場所を完成させたい。

上手になって友達に認められたい。

理由は子どもによって違います。

そこで、

「またロブロックス?」

から話を始めるのではなく、

「今どんなゲームやってるの?」

「何が面白いの?」

「誰とやってるの?」

と聞いてみます。

親が面白さを理解する必要まではありません。

必要なのは、子どもが何を失いたくなくてロブロックスに戻っているのかを知ることです。

そこが分からないまま制限だけ増やすと、親と子どもが別の問題について話し続けることになります。

親の感覚ではなく実際の利用時間を一度見る

「一日中やっているように見える」

という感覚と、実際の時間が違うこともあります。

12歳までのRoblox Kids、Roblox Selectの対象アカウントでは、保護者アカウントを連携するとスクリーン時間を確認できます。

過去1週間によく遊んだゲームと、そのゲームで過ごした時間も確認できます。

ここを見ると、

毎日同じゲームを3時間している

複数のゲームを次々移動している

特定のゲームだけ長時間になっている

といった違いが分かります。

いきなり1時間に制限する前に、まず1週間程度、

「実際にどれくらい使っているのか」

「何に時間を使っているのか」

を見る方法があります。

問題が一つなら、ロブロックス全部を禁止しなくてもいい

調べてみると、

ロブロックス全体ではなく、特定の使い方だけが問題

ということがあります。

たとえば、あるゲームを始めてから夜更かしするようになった。

そのゲームだけ終了するタイミングがない。

特定の友達と遊ぶ日は何時間も続く。

夜に友達が集まるため寝る時間が遅くなる。

このような場合なら、

「ロブロックス禁止」

ではなく、

問題になっているゲームを止める

遊ぶ時間帯を変える

夜のチャットを制限する

といった対応も考えられます。

12歳までの子どもなら、Robloxの保護者コントロールから特定のゲームをブロックすることもできます。

問題の範囲より大きな制限をかけなくても済む場合があります。

時間を変えるなら「何時間」だけでなく「何を守るためか」を決める

利用時間を減らす必要がある場合も、

「今日から1時間」

だけでは子どもにとって理由が分かりにくくなります。

たとえば問題が睡眠なら、

「平日は10時には寝られるように終わる」

のほうが目的が分かります。

宿題なら、

「宿題が終わったらロブロックス」

という順番にする。

夕食が問題なら、

「食事中は使わない」

にする。

友達とのオンラインの約束があるなら、

「8時から友達と遊ぶ日は、それまで別のゲームはしない」

という調整もできます。

大事なのは「ロブロックスの時間を減らすこと」そのものではありません。

崩れている生活を戻すために、どこを変える必要があるのかです。

終了時間は遊び始める前に決めておく

親子げんかになりやすいのは、子どもが一番盛り上がっている最中です。

ゲームを始めてから突然、

「今日はもう終わり」

と言われるより、

始める前に、

「今日は何時まで?」

「友達とは何時まで遊ぶ予定?」

と決めておくほうが、終了の準備をしやすくなります。

オンラインゲームには途中で抜けにくい場面もあります。

そのため時計の時間だけでなく、

「次の1回で終わる」

「このステージが終わったら終わる」

など、子どもにも分かる区切りを組み合わせる方法があります。

必要なら終了前に、

「あと10分だよ」

と予告します。

「いきなり終わらされた」ではなく、「決めた終わりが来た」に変えていくためです。

突然電源を切る・端末を取り上げる前に考える

何度言ってもやめないと、

電源を切る

スマートフォンを取り上げる

Wi-Fiを切る

という方法を使いたくなることがあります。

まだ大きな問題になっていない家庭なら、まず別の方法を試したほうがよいでしょう。

突然取り上げる方法は強い反発を起こす場合があります。

特にすでに、

ゲームを止めようとすると暴言になる

物を壊す

家族へ手を出そうとする

という状態になっている場合は、力ずくで取り上げることで状況が悪化することがあります。

そこまで来ているなら、親だけで「どうやって禁止するか」を考える段階ではありません。

安全を優先し、学校や相談機関、医療機関など第三者へ相談することも考えます。

親だけで対処しきれない目安は「生活への支障」

ゲーム障害は、家庭で自己診断するものではありません。

ただ、相談を検討する材料はあります。

たとえば、

朝起きられず欠席や遅刻が続いている

昼夜が逆転している

食事や入浴などの日常生活まで崩れている

成績や学校生活が大きく変わった

ゲーム以外の活動をほとんどしなくなった

高額な課金など金銭問題が出ている

ゲームをめぐる暴言・暴力で家族が怖い思いをしている

本人も「やめたいのにやめられない」と困っている

といった状態です。

このような場合は、単なる家庭のルール問題として抱え込まないほうがよいでしょう。

地域の保健所や精神保健福祉センターでは、思春期やこころの問題について相談できます。

ゲーム障害・ネット依存を診療している医療機関も全国にあります。

本人が受診を嫌がっている場合でも、家族だけで相談できる機関があります。

「ロブロックスをやめさせる」が最初の目標とは限らない

子どもがロブロックスばかりしていると、親の目標はどうしても、

「ロブロックスの時間を減らす」

になります。

しかし、本当に困っていることが、

朝起きられない

宿題をしない

家族との食事に来ない

外へ出なくなった

友達との関係がロブロックスだけになった

なのであれば、目標はそちらです。

たとえば、

夜12時までロブロックス
↓
朝起きられない

なら、まず就寝時間を戻す。

ロブロックス以外を何もしないなら、

「ロブロックスを0時間にする」

より、

「ほかに楽しめる時間を一つ戻す」

ことから始める。

専門治療でも、ゲーム時間そのものだけではなく、睡眠、学校、人間関係、本人がゲームを必要としている背景まで確認します。

家庭でも同じように、

「ゲームを消す」

ではなく、

「ゲーム以外の生活を戻す」

という見方ができます。

まとめ|「ばかり」に見えたら、禁止する前に中身を見る

子どもが毎日ロブロックスをしていたとしても、時間だけで問題の程度を決めることはできません。

まず確認したいのは、

ロブロックスで何をしているのか。

誰と遊んでいるのか。

作っているのか、遊んでいるのか。

ゲームをしていても睡眠・学校・食事などが保たれているのか。

そして、ロブロックスをやめることで子どもが何を失うと感じているのかです。

生活に大きな支障がなく、自分で区切ることもできているなら、すぐ全面禁止にする必要性は高くありません。

一方で、睡眠や登校などが崩れ、問題が起きてもゲームを止められない状態が続いているなら、「何時間まで」と決めるだけでは足りないことがあります。

さらに暴言・暴力、不登校、昼夜逆転などまで進んでいるなら、端末を力ずくで取り上げるより、学校や専門相談機関など第三者を入れることも考えます。

「ロブロックスをやめさせるか」を最初に決めるのではなく、

「今、ロブロックスによって何が起きているのか」

を確認する。

そこが、その家庭に必要な対応を決める出発点です。

出典

World Health Organization|Gaming disorder

国立病院機構 久里浜医療センター|インターネット依存治療部門・情報ボックス

国立病院機構 久里浜医療センター|インターネット依存治療部門・治療の実際

Roblox|Parent Guide to Back-to-School Screen-Time Discussions(子どものスクリーン時間を考える保護者向け資料)

Roblox Support|スクリーン時間の管理

Roblox|ペアレンタルコントロール

Roblox|What is Roblox?(ロブロックスのサービス構造についての公式資料)

Roblox Creator Hub|Roblox Studio

公益財団法人ベネッセこども基金|わが子のオンラインゲームの受け止め方

ガンホー・オンライン・エンターテイメント|小学生の子どもがゲームばかり…「やめなさい!」と言わずにゲームを上手に終わらせるコツとは?

厚生労働省|身近にある地域の相談窓口

国立病院機構 久里浜医療センター|ゲーム障害・ネット依存・スマホ依存の治療施設リスト