「ロブロックスは1日1時間までにした方がいい?」
「休日なら2時間くらい遊ばせても大丈夫?」
子どもがロブロックス(Roblox)を長く遊んでいると、親としては具体的な数字が欲しくなります。
しかし、公的・専門的な資料を確認した範囲では、日本全国の子どもに共通する「ロブロックスは1日○時間まで」という上限はありません。
家庭で決めるなら、「とりあえず1時間」と数字を先に置くより、まず寝る時刻を決め、そこから逆算してロブロックスを終える時刻を決める方が実用的です。
そのうえで、宿題、食事、入浴などを済ませても残る時間の中から、その家庭の「1日の上限」を決めます。
「1時間まで」「2時間まで」をそのまま正解にしない
ゲーム時間について調べると、「1日30分」「1時間」「2時間」といった数字が出てきます。
ただし、それぞれ同じ意味の数字ではありません。
家庭で実際に採用している時間もあれば、子育て記事がルール作りの出発点として示している時間もあります。
日本小児科医会には、テレビやゲームなどを含めたメディアとの総接触時間を「2時間以内(目安)」とする提言があります。
これは「ロブロックスを毎日2時間まで遊んでよい」という基準ではありません。
睡眠、食事、学校、友達と遊ぶ時間などを1日24時間から差し引くと、メディアに使える時間は2時間程度だろう、という考え方から示された目安です。
一方、ゲームの問題を専門的に扱う国立病院機構久里浜医療センターの資料では、ゲーム時間の長さには明確な基準がないとされています。
つまり、「1時間なら安全、2時間を超えたら危険」という一本の線は引けません。
先に決めたいのは「何時間」ではなく「何時に終わるか」
家庭でルールを作るときは、1日のゲーム時間より先に「終了時刻」を考えてみてください。
国立病院機構のゲーム依存相談対応マニュアルでも、ゲームに関するルールでは、ゲームをする時間帯、とくに終了時間を決めることが重要とされています。
理由は、1日1時間という同じルールでも、遊ぶ時間帯によって生活への影響が変わるからです。
夕方に1時間遊び、その後に食事や入浴をしていつもの時刻に眠れる子と、寝る直前まで1時間遊んで就寝が後ろへずれる子を、同じ「1時間だから問題なし」と考えることはできません。
まず「朝は何時に起きなければならないか」を確認します。
次に、そこから必要な睡眠時間を確保できるように寝る時刻を決めます。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、小学生は9~12時間、中学生・高校生は8~10時間を参考に睡眠時間を確保することが勧められています。
その寝る時刻から、入浴や歯磨き、翌日の準備などに必要な時間を戻していけば、「ロブロックスは遅くともここまで」という時刻が見えてきます。
残った余暇から「1日の上限」を決める
終了時刻が決まったら、次に1日の上限を考えます。
学校から帰って寝るまでの時間を、すべてロブロックスに使えるわけではありません。
宿題や家庭学習、食事、入浴、翌日の準備など、その日に必要なことがあります。
さらに、家族と話す時間、ゲーム以外の遊び、体を動かす時間などもあります。
それらを先に確保したうえで残る余暇の中から、「ロブロックスにはどこまで使うか」を決めます。
この順番なら、「インターネットで1時間と書いてあったから1時間」という決め方ではなく、その子の生活に合わせて数字を決められます。
習い事がある日は短くなり、予定の少ない休日は長くなることもあります。
毎日まったく同じ時間でなければならないわけではありません。
同じ1時間でも、短くした方がいい子と長くできる子がいる
決めたゲーム時間が合っているかは、数字そのものではなく、その後の生活を見て判断します。
たとえば1日1時間と決めていても、毎日のように終了時刻を超える、寝る時刻が遅くなる、朝起きにくくなる、宿題や食事を後回しにする状態なら、「1時間だから大丈夫」とは言えません。
時間を短くするだけでなく、遊び始める時刻を早める方法もあります。
反対に、休日に普段より長く遊んでも、必要な睡眠が取れ、食事や予定にも影響せず、自分で終えられているなら、平日とまったく同じ時間に固定する必要があるとは限りません。
重要なのは、
「何分遊んだか」
だけではなく、
「その時間のために何が押し出されたか」
を見ることです。
「今日は何時間できる?」を毎日交渉しない仕組みにする
その日の気分で親が「今日は1時間」「今日は2時間」と決めると、子どもから見ると基準が分かりにくくなります。
そこで、家庭の基本ルールを先に決めておく方が運用しやすくなります。
たとえば、
「平日は○時まで」
「休日は予定が終わってから」
「食事中や布団の中ではしない」
「終了時刻を過ぎない範囲で遊ぶ」
といった形です。
ここで重要なのは、ルールを増やしすぎないことです。
国立病院機構の資料でも、ルールを決めすぎるとかえって守れなくなるため、必要なものを選ぶ考え方が示されています。
「1日60分」という数字だけを決めるより、「いつならできるか」と「いつ終わるか」まで決めた方が、子どもにも境界が分かりやすくなります。
ロブロックスの時間制限機能は「決めた後」に使う
家庭で上限を決めたら、ロブロックス側の機能を使って実行しやすくできます。
ロブロックスには、対象となる子どものアカウントについて、保護者が1日に利用できる時間を制限する機能があります。
設定した上限に達すると、その日はそれ以上ロブロックスを利用できなくなります。
また、保護者向け画面では過去7日間の平均利用時間も確認できます。
ここで順番を逆にしないことが大切です。
最初から「設定画面で1時間にできるから1時間」と決めるのではなく、
「この子の生活なら何時までか」
「その範囲なら何時間使えるか」
を家庭で決め、その数字を機能に設定します。
時間制限機能は適切な時間を決めてくれるものではなく、家庭で決めたルールを実行するための補助です。
まず今の「7日間」を見ると決めやすい
これまでゲーム時間を計ったことがない家庭なら、いきなり理想の数字を決めなくても構いません。
ロブロックスの保護者向け機能では、過去7日間の平均利用時間を確認できます。
まず現在どれくらい使っているのかを確認し、その時間帯と生活を照らし合わせます。
「平均2時間だった」という数字だけを見るのではありません。
その結果、寝る時刻が遅れていないか。
朝起きられているか。
宿題や食事を押しのけていないか。
終了するときに毎回大きな揉め事になっていないか。
こうした実際の生活を一緒に見ます。
問題がなければ、現在の時間から大きく変える必要がない場合もあります。
反対に、1時間未満でも就寝時刻を後ろへずらしているなら、「まだ1時間だから」と増やす理由にはなりません。
「休日だけ長くする」はあり。ただし翌日の生活まで見る
平日と休日で同じ時間にする必要はありません。
国立病院機構の資料でも、平日と休日など状況に応じて時間を考える方法が示されています。
学校や習い事で時間の少ない平日と、予定の少ない休日では、使える余暇そのものが違います。
そのため、「平日は短め、休日は少し長め」という家庭ルールは作れます。
ただし、「休日だから何時間でもよい」ではありません。
休日の夜に長く遊んだことで寝る時刻が後ろへずれ、翌朝から生活リズムが崩れるなら、休日の上限や終了時刻を見直す必要があります。
休日も、判断基準は「何時間遊べるか」ではなく「必要な生活を残せるか」です。
地域によって独自の時間の目安がある
全国一律のゲーム時間の基準はありませんが、一部の自治体には独自の条例があります。
たとえば香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」では、保護者が家庭でルールを作る際、子どものコンピューターゲームについて1日60分まで、学校などが休みの日は90分までを上限とする内容が定められています。
これは香川県の条例であり、その数字を全国の家庭にそのまま当てはめるものではありません。
愛知県豊明市では、2025年にスマートフォンやゲーム機などの適正使用について条例が施行されました。
余暇での使用を1日2時間以内とする目安がありますが、豊明市自身が「2時間以内はあくまで目安」と説明しています。
睡眠や家族との会話などに支障がなければ、3時間、4時間になっても構わないという市の説明もあり、2時間を超えたら違反という制度ではありません。
住んでいる地域に独自の条例や啓発ルールがある場合は、それも確認したうえで家庭ルールを考えます。
結局、ロブロックスは1日何時間にすればいい?
「全国共通で1時間まで」という答えはありません。
家庭で数字が必要なら、次の順番で決めると整理しやすくなります。
- 朝起きる時刻を確認する
- 必要な睡眠時間から寝る時刻を決める
- 入浴や翌日の準備を考え、ロブロックスの終了時刻を決める
- 宿題、食事などを除いた余暇から1日の上限を決める
- 実際の利用時間と生活への影響を見て見直す
ネット上にある「1時間」「2時間」という数字は、出発点にはできます。
しかし、最終的に見るべきなのは、ロブロックスを何時間したかではなく、その時間を確保するために睡眠や学校生活などを削っていないかです。
1時間未満でも生活を押しのけるなら長すぎる可能性があります。
反対に、ある日に普段より長く遊んでも、必要な睡眠や日常生活を保ち、自分で終了できているなら、数字だけを理由に判断する必要はありません。
まず「何時間まで?」ではなく「何時までなら生活を崩さない?」から考える。
そこから、その家庭のロブロックス時間を決めるのが現実的です。
