ロブロックスは依存しやすい?終わりにくいゲームが多い理由

「もう終わりだよ」と言ったのに、あと5分。

5分後に声をかけると、また「これが終わったら」。

子どもがロブロックス(Roblox)をなかなか終われないのを見て、「普通のゲームより依存しやすいのでは」と感じる親もいるでしょう。

ただし、ロブロックスだから医学的に依存しやすい、と一括りにすることはできません。

一方で、ロブロックスには従来の「1本のゲームをクリアしたら終わり」とは違い、止めどきを見つけにくくする構造があります。

ポイントは、「依存させるゲームだから」と考えることではありません。

子どもが今、何の続きを気にして終われなくなっているのかを見ることです。

ロブロックスそのものに「ゲームクリア」がない

まず大きな違いは、ロブロックスが1本のゲームではないことです。

ロブロックスというサービスの中に、多数のゲームがあります。

1つのゲームをやめても、ホーム画面へ戻れば別のゲームをすぐ始められます。

昔の家庭用ゲームなら、

ラスボスを倒した。

エンディングを見た。

全ステージをクリアした。

という分かりやすい終点がありました。

ロブロックス全体には、その意味でのエンディングがありません。

「このゲームは終わった。でもロブロックスはまだ終わっていない」という状態になります。

これが最初の「終わりにくさ」です。

1つのゲームの中でも「次にやること」が残りやすい

では、個別のゲームを見れば終わりがあるのでしょうか。

ここもゲームによって違います。

対戦が1試合で終わるゲームもあれば、障害物を最後まで進むゲームもあります。

一方で、人気ゲームの中には、

キャラクターを育てる。

アイテムを集める。

レベルを上げる。

新しい場所を開放する。

ランキングを上げる。

レアなものを手に入れる。

といった形で、次の目標が次々につながるものがあります。

Robloxの制作者向け資料でも、ゲームを作るときには短期・中期・長期の目標を用意し、プレイヤーが継続して進められる仕組みを作ることが勧められています。

たとえば、

「あと1回やればレベルが上がる」

「あと少しで欲しいアイテムが手に入る」

というところで親から「終わり」と言われれば、子どもは区切りの途中だと感じます。

そしてレベルが上がれば、今度は次の目標が見えてきます。

終点そのものがないというより、終点の先に次の目標が続いているわけです。

「今日終わり」でも明日また戻る理由がある

ロブロックスのゲームには、1回のプレイ時間だけでなく、「また明日来てもらう」ための仕組みを入れることもできます。

Roblox自身が制作者向けに用意している機能には、

毎日ログインするともらえる報酬。

何日も続けてログインするともらえる報酬。

一定時間遊ぶともらえる報酬。

期間内に課題を達成するともらえる報酬。

などがあります。

すべてのゲームにあるわけではありません。

ただ、子どもが遊んでいるゲームにこうした仕組みが入っていれば、「今日はもう十分遊んだ」という親の感覚とは別に、

「今日受け取らないともったいない」

「連続記録が切れる」

「あと少しで報酬がもらえる」

という理由が子ども側にはできます。

長時間遊ぶ理由だけでなく、毎日戻りたくなる理由も作れる仕組みです。

新しい内容が追加されるので「全部終わった」になりにくい

以前のゲームソフトなら、一度クリアすれば内容は基本的に同じでした。

オンラインゲームでは事情が違います。

ゲームを公開した後も、新しいアイテム、場所、キャラクター、イベントなどを追加できます。

Robloxは制作者向け資料でも、週単位や月単位などで新しい内容を追加し、ゲームへの関心を保つ運営方法を説明しています。

期間限定イベントもあります。

「今週しか手に入らない」

「このイベントが終わるまでに集めたい」

というものがあれば、普段より遊びたくなることもあります。

子どもから見ると、終わったゲームではありません。

以前から遊んでいる場所に、また新しい遊びが追加されるのです。

友達がいるとゲームではなく「遊びの途中」になる

ロブロックスの終わりにくさは、ゲームの仕組みだけではありません。

友達の存在も大きく関係します。

一人で遊んでいるゲームなら、電源を切ればそこで終われます。

しかし学校の友達と一緒に遊んでいる場合、

「自分だけ抜ける」

という別の問題が出てきます。

親にはゲーム画面に見えていても、子どもにとっては友達と遊んでいる最中です。

米国小児科学会も、ロブロックスを長時間続けやすい理由の一つとして、友達がサービス内にいて交流を続けられることを挙げています。

Robloxの制作者向け資料でも、友達同士で遊ぶことは重要な要素として扱われています。

そのため、

「あと1回」

が本当にゲームの1回とは限りません。

「友達が抜けるところまで」

「みんなで今やっていることが終わるまで」

という意味になっている場合があります。

ゲームを1つやめても次のゲームがある

もう一つ、家庭用ゲームと大きく違うのが、ゲームを探す場所と遊ぶ場所が一体化していることです。

ロブロックスにはホーム画面があり、その子が興味を持ちそうなゲームが表示されます。

Roblox公式によると、おすすめ表示には、ユーザーがそのゲームを何日遊んだか、どれくらいの時間遊んだか、友達と一緒に遊んだかなど複数の情報が利用されています。

1つのゲームに飽きても、

「もうゲームをやめる」

ではなく、

「じゃあ別のゲームをやる」

に移りやすいわけです。

動画を1本見終わったあと、次の動画を選べるサービスに近いところがあります。

米国小児科学会も、ロブロックスでは1つに飽きても別のゲームを簡単に探せることが、切り替えを難しくする要素になり得るとしています。

人気ゲームほど「また遊びたい」を考えて作られる理由

ここは、「ロブロックスは子どもを依存させようとしている」と誤解しないように分けて考える必要があります。

ゲーム制作者にとって、

一度遊んだ人が翌日も来る。

長く遊ぶ。

友達と一緒に遊ぶ。

ということは、そのゲームが支持されているかを見る重要な数字です。

Roblox公式の制作者向け資料でも、「何日後に戻ってきたか」「どれだけ遊んだか」といった数字を分析し、ゲームを改善する方法が説明されています。

さらに、おすすめゲームとして広く表示される際にも、継続して遊ばれているか、プレイ時間、友達とのプレイなどが使われます。

そのため制作者側には、

「もう一度来たくなるゲーム」

「長く楽しめるゲーム」

を作る理由があります。

これはロブロックスだけに限った話ではなく、現在のオンラインゲームでは一般的な考え方です。

ただ、子ども側から見ると、「面白いところで自然に終わる」より、「次にも楽しみが残る」ゲームに触れる機会が多くなることにつながります。

「あと5分」が終わらないのは意思が弱いからとは限らない

親としては、

「5分と言ったのだから5分でやめればいい」

と思うでしょう。

もちろん、決めた時間を守る練習は必要です。

ただ、ゲーム側では5分ごとに区切られているわけではありません。

あと5分の間に、

新しい対戦が始まる。

次のレベルが近づく。

報酬を受け取れる状態になる。

友達から誘われる。

別のゲームを見つける。

ということが起きます。

子どもがそのたびに新しい区切りを作っていれば、いつまでたっても「終わった状態」が来ません。

だからこそ、終了時刻だけ決めるより、

「新しい試合には入らない」

「このクエストが終わったら終了」

「終了10分前から別のゲームには移らない」

というように、「どこで切るか」まで考えたほうが終わりやすい場合があります。

何で止まれないのかを見ると対応が変わる

「ロブロックスをやめない」という同じ行動に見えても、理由は一つではありません。

レベルアップ直前だから止めたくない子。

毎日の報酬が欲しい子。

レアアイテムを集めたい子。

期間限定イベントをやっている子。

友達と遊んでいて抜けたくない子。

次々に違うゲームへ移っている子。

それぞれ終わりにくくなる場所が違います。

親が一度画面を見て、

「何をしたら今日のゲームは終われるの?」

と聞いてみると、どこに区切りを作ればよいのか見つけやすくなります。

逆に、何を達成しても次へ進み、約束したところでも自分では止められない状態なら、単にゲームの区切り方だけの問題ではなくなってきます。

「終わりにくい」と「ゲーム障害」は同じではない

ここは分けて考える必要があります。

子どもが「もっと遊びたい」と言ったり、終了時に不満そうにしたりするだけで、ゲーム障害と判断することはできません。

世界保健機関ではゲーム障害について、

ゲームを自分で制御できない。

ほかの日常生活よりゲームを優先する。

悪い影響が出てもゲームを続ける。

その結果、家庭、学校、社会生活などに重大な支障が出る。

といった状態を重視しています。

つまり、「終わりにくい仕組みがあること」と、「その子がゲーム障害になっていること」は別です。

ロブロックスを毎日楽しみにしていても、自分で終われて、睡眠や学校、食事などの生活が保たれている子もいます。

反対に、ゲームのために寝られない、学校生活が崩れる、悪影響を分かっていても止められない状態が続いているなら、「ロブロックスには終わりがないから仕方ない」で済ませる段階ではありません。

ロブロックスが終わりにくいのは「1つの仕掛け」が原因ではない

ロブロックスの特徴は、何か一つ強烈な仕掛けがあることではありません。

ゲームそのものに明確な終点がない。

次の目標が残る。

毎日戻る理由がある。

新しい内容が追加される。

期間限定のものがある。

友達がいる。

1つをやめても次のゲームが表示される。

こうした要素が同じサービスの中で重なることです。

だから、親から見ると「いつまでやっているの?」となりやすく、子どもからすると「まだ途中」となりやすくなります。

「ロブロックスは依存しやすいゲームだから」と一言で片づけるより、

「うちの子は、何があるから終われないのか」

まで見る。

そこが分かると、終了時間だけをめぐって毎日争うより、その子が実際に止まりにくくなっている場所へ対処しやすくなります。

出典

世界保健機関(WHO)|Gaming disorder

米国小児科学会|Using Roblox and YouTube For Extended Periods Of Time

国立病院機構 久里浜医療センター|インターネット依存治療部門 情報ボックス

Roblox Creator Hub|Design games on Roblox

Roblox Creator Hub|Engagement

Roblox Creator Hub|Feature packages

Roblox Creator Hub|LiveOps essentials

Roblox Creator Hub|Discovery

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