学校から帰るとすぐロブロックス。
夕食だと言ってもやめない。
「もう終わり」と言うと怒る。
休日は朝から何時間も遊んでいる。
ここまで続くと、「いっそのことロブロックスを禁止したほうがいいのでは」と考える親もいるでしょう。
ただ、最初に見るべきなのは「1日何時間やっているか」だけではありません。
睡眠、食事、学校、宿題、入浴、家族との会話など、ロブロックス以外の生活がどこまで保たれているかを見ます。
長く遊んでいても生活を保てている子と、悪影響が出ているのに自分では止められなくなっている子では、親の対応も変える必要があります。
「何時間やったら依存」とは決められない
子どもが3時間、4時間と遊んでいると、それだけで「ゲーム依存では」と心配になるかもしれません。
しかし、ゲームを長時間していることだけでゲーム障害と判断することはできません。
世界保健機関(WHO)が重視しているのは、ゲームを自分でコントロールできなくなり、ほかの日常生活よりゲームを優先し、問題が起きても続けてしまい、その結果として生活に重大な支障が生じているかどうかです。
親が見るなら、
「今日は何時間やった?」
だけではなく、
「ロブロックスのために何ができなくなっている?」
と考えるほうが実態をつかみやすくなります。
まず「長いだけ」なのか「生活が崩れている」のかを分ける
たとえば休日に長時間ロブロックスをしていても、声をかければ一区切りで終われる。
食事をする。
夜は寝る。
学校へ行く。
宿題など必要なこともできている。
友達や家族との生活も保たれている。
この状態なら、少なくとも「長時間だから今すぐ全面禁止」という判断を急ぐ必要はありません。
一方、
食事になってもやめられない。
寝る時間がどんどん遅くなる。
朝起きられない。
宿題や翌日の準備をしなくなる。
入浴まで面倒がる。
やめるよう言うたび激しい言い争いになる。
という変化が重なってきたら、問題は単なるプレイ時間ではなくなっています。
さらに、学校へ行けない、昼夜が逆転する、食事や身の回りのことまでおろそかになる、課金が止められない、家庭内で強い暴言や暴力が続くといったところまで進んでいるなら、家庭の時間ルールだけで解決しようとしないほうがよい段階です。
ロブロックスは「あと1回」で終わるゲームとは限らない
親から見ると、
「そのゲームが終わったらやめればいい」
と思うかもしれません。
ところが、ロブロックスは1本のゲームではありません。
多数のゲームが同じサービスの中にあり、子どもは次々に別のゲームへ移れます。
友達と待ち合わせて一緒に遊ぶこともあれば、チャットをしたり、自分で作品を作ったりすることもあります。
つまり子どもにとっては、「ゲームを1回クリアしたから終わり」というより、遊び場そのものに入っている感覚に近い場合があります。
友達がまだ遊んでいるところで、
「時間だから今すぐ切って」
と言われれば、子ども側には「友達と遊んでいる途中なのに突然帰れと言われた」という感覚があるかもしれません。
これは好きなだけ遊ばせる理由にはなりません。
ただ、「なぜあと5分と言い続けるのか」を理解せず、毎回強制終了だけを繰り返すと、親子とも消耗しやすくなります。
いきなり取り上げる前に「何をしているのか」を一度見る
ロブロックスばかりしていると、親には画面を見ている時間すべてが同じに見えます。
しかし実際には、
一人でゲームを進めている。
学校の友達と遊んでいる。
知らない利用者と遊んでいる。
アバターの服を選んでいる。
ゲームを作っている。
など、中身が違います。
まず一度、
「何のゲームをしているの?」
「どこがおもしろいの?」
「誰とやっているの?」
と聞いてみると、やめにくい理由も見えてきます。
親がロブロックスに詳しくなる必要はありません。
子どもに画面を見せてもらい、「何をしている時間なのか」を知るだけでも十分です。
ロブロックス自身も、保護者に対して、子どもと一緒にゲームを見たり遊んだりして利用状況を理解することを勧めています。
「今すぐやめる」より終わる場所を先に決める
ゲームをやめるたびにけんかになる家庭では、終了時刻だけを決めても機能しない場合があります。
オンラインゲームでは、ちょうど対戦中だったり、友達と何かをしていたりすることがあります。
そこで、
「7時になった瞬間に切る」
だけではなく、
「6時50分になったら新しいゲームには入らない」
「今やっているものが終わったら夕食」
というように、終了するための準備時間まで含めて決める方法があります。
もちろん、それでも延々と次へ進めばルールになりません。
大事なのは、親がその日の気分で「今日はもうダメ」と決めるのではなく、始める前から終わり方まで共有しておくことです。
ルールは「ロブロックス○時間」だけでなく生活から逆算する
時間ルールを作るなら、最初から「1日1時間」と数字だけを置く方法より、
何時に寝るのか。
宿題はいつするのか。
夕食は何時なのか。
朝起きられる状態を保てるか。
を先に決めたほうが、家庭ごとの基準を作りやすくなります。
たとえば、
夕食中はやらない。
宿題をする時間には始めない。
寝る直前まで続けない。
といった生活側の線を先に引き、その中で遊べる時間を考えます。
これなら「ゲームが悪いから減らす」のではなく、「必要な生活を守るために遊ぶ時間を決める」という話に変えられます。
親自身も食事中はスマートフォンを置くなど、家族共通のルールにできるものは共通にしたほうが、子どもだけが制限されている感覚を減らせます。
12歳以下ならロブロックス側でも利用時間を制限できる
2026年9月現在、ロブロックスには保護者向けの管理機能があります。
保護者用アカウントと子どものアカウントを連携すると、利用状況を確認したり、一部の年齢では1日の利用時間上限を設定したりできます。
この時間制限を保護者側から設定できるのは、5~8歳の「Roblox Kids」と、9~12歳の「Roblox Select」です。
設定した時間に達すると、その日はロブロックスを利用できなくなります。
また、よく遊んでいるゲームや友達関係を確認したり、ゲームを個別にブロックしたり、課金を管理したりする機能もあります。
毎日親が横から「もう終わり」と言い続けるより、事前に親子で決めた時間をシステム側で管理したほうが、終了のたびに親子げんかになる状況を減らせる場合があります。
13歳以上は、ロブロックス内で保護者が同じように1日の時間上限を設定する対象ではありません。
この年齢では、本人と使い方を話し合い、自分でも時間を管理する方向へ少しずつ移していく必要があります。
ルールを破ったときは「なぜ守れなかったか」を見る
決めたのに守らなかった。
隠れて続けた。
時間制限を回避しようとした。
そんなとき、すぐに「約束を破ったから1週間禁止」としたくなるかもしれません。
もちろん、ルールを破っても何も起こらない状態ではルールの意味がなくなります。
ただ、同時に確認したいのが「なぜ止められなかったのか」です。
友達との途中だったのか。
終了時刻を忘れていたのか。
もう少し遊びたくて意図的に破ったのか。
嫌なことがあり、ゲームから離れたくなかったのか。
理由によって、次に変えるものが違います。
終了前に知らせれば済む子もいれば、時間そのものをシステムで制限したほうがよい子もいます。
ロブロックス以外の生活に強いストレスを抱え、ゲームだけが逃げ場所になっているなら、時間設定だけを厳しくしても問題の中心は残ります。
「ゲームを取れば解決する」とは限らない
ゲームに夢中になる理由は、単にゲームがおもしろいからという場合もあります。
一方で、ゲームの中で達成感を得ている、友達とつながっている、学校や日常生活のストレスを忘れられる、といった役割を持っている場合もあります。
特に後者では、ロブロックスを取り上げても、ゲームを必要としていた理由そのものは消えません。
学校がつらい。
友達とうまくいっていない。
現実では自信を持てることが少ない。
家にいてもすることがない。
こうしたことが隠れているなら、「ロブロックスを何時間減らすか」だけではなく、子どもがゲーム以外の時間をどう過ごすかまで考える必要があります。
ゲームをやめた時間をただ空白にするのではなく、外出、運動、家族との活動、ほかの趣味など、その子が楽しめる時間を増やしていくことも一つの方法です。
ここまで崩れていたら「家庭だけで何とかする」にこだわらない
問題が続いていても、
「ゲームぐらいで病院へ行くのは大げさでは」
と考えるかもしれません。
しかし、相談を考える基準はゲーム時間そのものではありません。
ロブロックスを優先することで、
学校生活が長く崩れている。
昼夜逆転が続いている。
食事や入浴などの日常生活まで維持できない。
悪影響を本人も分かっているのにやめられない。
課金などの問題を繰り返す。
家庭内の暴言や暴力が強くなっている。
といった状態が続いているなら、ネット・ゲーム問題を扱う医療機関などへの相談を検討する段階です。
国立病院機構久里浜医療センターでは、全国のゲーム障害・ネット依存・スマホ依存を扱う医療機関の一覧を公開しています。
また、本人が相談を嫌がる場合でも、まず家族側がゲーム・ネット依存について学んだり相談したりする方法があります。
無理に端末を奪うことで家庭内の衝突が激しくなる状況では、親だけで強制的に解決しようとしないことも重要です。
親が最初にするなら「禁止」ではなく現状確認
子どもがロブロックスばかりしていると、親としては「何時間減らすか」から考えたくなります。
その前に、1週間ほど、
何時から何時まで遊んでいるか。
何をして遊んでいるか。
誰と遊んでいるか。
何時に寝ているか。
朝起きられているか。
宿題や学校生活に影響しているか。
食事や入浴などを保てているか。
やめるときにどの程度切り替えられるか。
を見てみると、問題の場所が分かりやすくなります。
「長いけれど生活は保てている」なら、終了方法や家庭ルールを調整するところから始められます。
「生活が少し崩れ始めている」なら、親子の約束だけに頼らず、ロブロックスの保護者機能も使って環境を変えます。
「生活に大きな支障が出ていて、本人でも止められない」なら、ゲーム時間の取り合いを続けるより専門家へ相談することを考えます。
見るべきなのは「ロブロックスを何時間しているか」だけではありません。
ロブロックス以外の生活がどこまで残っているか。
そこを基準にすると、「今すぐ禁止するべきなのか」「家庭で調整できるのか」「外に助けを求める段階なのか」を判断しやすくなります。
出典
国立病院機構久里浜医療センター|インターネット依存治療部門 受診案内
国立病院機構久里浜医療センター|ゲーム障害・ネット依存・スマホ依存の治療施設リスト
Roblox|Parent Guide to Back-to-School Screen-Time Discussions
