「もう終わりだよ」と言ってもやめない。
「あと5分」と言ったのに、30分たってもまだやっている。
ロブロックスをしている子どもを見て、「これって依存なのでは?」と心配になることがあります。
ただ、ロブロックスをなかなか終われないことだけで、ゲーム依存と判断することはできません。
見るべきなのは「何時間やったか」だけではなく、
区切りを作れば終われるのか。
ゲーム以外の生活へ戻れるのか。
問題が起きていても自分で減らせないのか。
という違いです。
ロブロックスは一つのゲームではありません。
多数のゲームがあり、友達との交流もあり、次の遊びへすぐ移れます。
そのため「今すぐやめにくい状態」は起こりやすくても、それと「生活に支障が出るほどコントロールできない状態」は分けて考える必要があります。
- ロブロックスを長くしているだけでは依存とは決められない
- ロブロックスには「終わり」が一つではない
- まず見るのは「区切りを作れば終われるか」
- 「あと5分」が繰り返されるなら時計より行動を見る
- 友達と遊んでいるなら、一人用ゲームとは違う
- 次々に違うゲームへ移るなら「ゲーム」ではなくロブロックス全体を見る
- 作っている時間まで全部「ゲーム依存」にしない
- 「やめなさい」で怒るだけなら、まだ依存とは判断できない
- 注意したいのは「ゲームが他の生活を押しのけ始めたとき」
- 「毎日何時間」より1週間の生活を見た方が分かりやすい
- 12歳以下なら自動で止まる仕組みも使える
- 13歳以上なら本人が終了地点を作れるかを見る
- 「禁止するか続けさせるか」の二択にしない
- 家庭だけで解決しようとしなくていい段階もある
- ロブロックスが問題なのか、今の遊び方が問題なのかを見る
- 出典
ロブロックスを長くしているだけでは依存とは決められない
ゲームの問題を考えるとき、親が最初に見たくなるのは時間です。
「1日3時間だから危ない」
「1時間なら大丈夫」
と線を引きたくなります。
しかし、医学的なゲーム行動症は、何時間遊んだかだけで決まるものではありません。
世界保健機関(WHO)は、ゲーム行動症を判断する大きな要素として、
ゲームを自分でコントロールできなくなること。
ゲームが他の生活より優先されること。
悪い結果が出ているのに続けること。
その結果、家庭、学校、仕事、人間関係などに大きな支障が出ること。
を挙げています。
つまり、休日に数時間夢中になった子と、毎晩睡眠を削り、学校へ行けなくなってもゲームを止められない子を、単純に同じ「長時間ゲーム」として扱うことはできません。
親が知りたいのは時間そのものより、
「ゲームを生活の中に戻せる状態か」
です。
ロブロックスには「終わり」が一つではない
ロブロックスが普通の1本のゲームと違うところは、一つのゲームをクリアして終了するサービスではないことです。
中には多くのゲームがあります。
一つをやめても、すぐ別のゲームへ移れます。
さらに友達が参加していれば、ゲームの終了と友達との遊びの終了も同じではありません。
そのため親が、
「もう1時間やったから終了」
と言ったときに、子ども側では、
試合の途中。
友達との遊びの途中。
あと少しで今の目標が終わる。
次のゲームを始めたばかり。
ということがあります。
この状態で「今すぐ電源を切れ」と言われれば、抵抗することはあります。
それだけを見て依存と判断するのは早いでしょう。
まず見るのは「区切りを作れば終われるか」
依存かどうかを家庭だけで診断することはできません。
しかし、普段の使い方を見ることはできます。
一番分かりやすいのは、自然な終了地点を作ったときに終われるかどうかです。
たとえば、
「今の試合が終わったら終了」
「友達に今日はここまでと伝えたら終了」
「20時になったら、新しいゲームには入らない」
と決めます。
その区切りで不満を言いながらでも終了でき、その後は食事、入浴、宿題、睡眠などへ移れるのであれば、「ゲームを終える切り替えが苦手」という段階かもしれません。
一方、
試合が終わっても次を始める。
友達と別れても別のゲームへ入る。
「これが最後」を何度繰り返しても終わらない。
という状態なら、「終了地点がない遊び方」になっていないかを見る必要があります。
「あと5分」が繰り返されるなら時計より行動を見る
「あと5分」は、子どもが時間を守れない証拠とは限りません。
ロブロックスで遊んでいる内容によっては、5分後が終了しやすい地点とは限らないからです。
そこで、
「あと5分」
ではなく、
「何が終わったらやめられる?」
と聞いてみます。
「この試合が終わったら」
と答え、その通り終われるのであれば、終了地点は見えています。
一方、
「これが終わったら」
↓
「次のこれだけ」
↓
「友達が来たからもう少し」
↓
「あと一回」
と終了地点そのものが次々に動いていくなら、時計の問題とは少し違います。
親が見るべきなのは、「5分を守ったか」だけではなく、「本人が終了地点を決めて実行できるか」です。
友達と遊んでいるなら、一人用ゲームとは違う
ロブロックスでは、学校の友達などと一緒に遊んでいる場合があります。
この場合、
「ゲームを止める」
ことは、
「友達との遊びから自分だけ抜ける」
ことでもあります。
公園で友達と遊んでいる子に、親が突然「今この瞬間に帰ってきなさい」と言ったときと似た部分があります。
そのため「友達がまだいるから終われない」と言う場合は、ゲーム時間だけを制限しても揉めやすくなります。
始める前に、
「今日は20時まで」
「19時50分になったら友達にそろそろ落ちると伝える」
と終了時間まで友達との予定に入れておく方が区切りを作りやすくなります。
見るべきなのは、友達と遊んでいること自体ではありません。
約束した終了時刻になったとき、自分で友達に「今日は終わる」と言えるかです。
次々に違うゲームへ移るなら「ゲーム」ではなくロブロックス全体を見る
ロブロックスには非常に多くのゲームがあります。
そのため一つのゲームを30分しかしていなくても、
別のゲームへ20分。
さらに別のゲームへ30分。
という使い方ができます。
子ども自身は、
「このゲームはそんなにやっていない」
と感じているかもしれません。
親も画面だけ見ていると、何を長時間やっていたのか分からないことがあります。
この場合はゲーム単位ではなく、ロブロックス全体で何時間使っているかを見る必要があります。
Robloxの保護者向け機能では、過去1週間に子どもがよく遊んだゲームと、それぞれに使った時間を確認できます。
「毎日3時間ロブロックス」というだけでなく、
一つのゲームに3時間なのか。
複数のゲームを次々移って3時間なのか。
友達がいるゲームだけ長いのか。
を見ると、「何が終われなくさせているのか」が見えてきます。
作っている時間まで全部「ゲーム依存」にしない
ロブロックスでは、遊ぶだけでなくゲームを作ることもできます。
パソコンの制作ツールを使って、
建物を配置する。
仕掛けを作る。
プログラムを書く。
テストする。
といった作業をしている子もいます。
もちろん制作なら何時間でもよいという意味ではありません。
夜更かしして生活に支障が出れば、遊びでも制作でも見直しは必要です。
ただ、
3時間ずっとゲームを遊んでいたのか。
1時間遊び、残りは自分の作品を作っていたのか。
では中身が違います。
時間だけで「依存」と決めず、その時間に何をしていたのかを見ることも必要です。
「やめなさい」で怒るだけなら、まだ依存とは判断できない
終了を告げたとき、
「嫌だ」
「まだやりたい」
と怒ることがあります。
これだけでゲーム行動症とは判断できません。
子どもは楽しい遊びを途中で止められれば不満を感じることがあります。
重要なのはその後です。
少し不機嫌でも終了でき、その後は普通に食事をしたり別のことをしたりできるのか。
それとも、ゲームを止められない状態が続き、生活全体に問題が広がっているのか。
ここを分けて見ます。
注意したいのは「ゲームが他の生活を押しのけ始めたとき」
家庭で特に注意して見たいのは、ゲーム以外の生活との関係です。
たとえば、
ゲームのために睡眠時間が大きく減っている。
食事や入浴を繰り返し避ける。
学校や日常の予定よりゲームを優先する。
以前していた別の遊びや活動にほとんど関心を示さなくなる。
問題が起きていると本人も分かっているのに減らせない。
といった変化です。
重要なのは、一つ当てはまったから「依存」と決めることではありません。
ゲームを自分でコントロールできない状態と、生活への支障が重なってきているかを見ることです。
WHOやゲーム依存を専門に扱う医療機関でも、この「生活への支障」が重要な判断材料になっています。
「毎日何時間」より1週間の生活を見た方が分かりやすい
今日3時間やった。
昨日は4時間だった。
という1日単位の数字だけでは、状態を判断しにくいことがあります。
一度、1週間で見てみます。
何時から何時までロブロックスをしているか。
何を遊んでいるか。
誰と遊んでいるか。
終了予定時刻に終われたか。
睡眠は崩れていないか。
学校・宿題・食事・入浴などに影響が出ていないか。
を見ると、「単に今好きなゲームに夢中」なのか、「生活の中心がゲームへ移っている」のかが見えやすくなります。
Robloxの保護者アカウントでも、7日間の利用状況やよく遊んだゲームを確認できます。
感覚だけで、
「一日中やっている」
と判断するより、実際の利用状況を見る方が親子で話しやすくなります。
12歳以下なら自動で止まる仕組みも使える
12歳以下の子どもでは、保護者アカウントから1日のロブロックス利用時間を設定できます。
設定時間に達すると、その日はそれ以上ロブロックスを利用できなくなります。
毎日、
「終わりなさい」
「あと5分」
「もう終わり」
と親子で言い争う状態になっているなら、親が毎回終了役になるより、システム側に終了地点を作る方法もあります。
ただし、自動で止めればすべて解決するわけではありません。
「なぜそこで終われないのか」を見ずに時間だけ短くすると、別の端末や別の遊びへ問題が移る可能性もあります。
時間制限は原因を診断するものではなく、生活を守るための道具として使います。
13歳以上なら本人が終了地点を作れるかを見る
13歳以上では、Robloxのスクリーン時間上限は本人が設定する仕組みになります。
この年齢からは、
「親が強制的に止めているから終了する」
だけでなく、
「本人が決めた時間に自分で終われるか」
を見る意味が大きくなります。
たとえば本人と相談して、
21時になったら新しいゲームへ入らない。
今の試合が終わったら終了する。
寝る1時間前にはロブロックスを開かない。
など、実際に守れる終了方法を決めます。
守れなかったらすぐ「依存」と決めるのではなく、なぜ終われなかったかを確認します。
友達なのか。
ゲームの途中なのか。
次の報酬や目標なのか。
それとも理由に関係なく毎回止められないのか。
ここで対応が変わります。
「禁止するか続けさせるか」の二択にしない
ロブロックスの問題を調べると、
「危険だから禁止した方がいい」
という意見と、
「創造性があるから続けさせた方がいい」
という意見の両方が見つかります。
しかし家庭で必要なのは、どちらかの意見を選ぶことではありません。
今の子どもの状態を見ることです。
約束したところで終了できる。
睡眠や学校生活に影響していない。
ゲーム以外にも楽しみがある。
なら、時間や終了方法を調整しながら遊ぶという選択があります。
反対に、
何度工夫しても自分で止められない。
生活への支障が広がっている。
問題が起きても利用が増えている。
という状態なら、単なる家庭内ルールの問題として処理し続けない方がよいでしょう。
家庭だけで解決しようとしなくていい段階もある
ゲーム行動症の診断は、家庭のチェック表だけで行うものではありません。
ゲームを制限できない状態や、学校・睡眠・家族関係などへの大きな支障が続いているなら、専門家へ相談する選択があります。
全国では、保健所や精神保健福祉センターで依存や思春期の相談を受け付けています。
ゲーム・ネット依存を専門に診療する医療機関もあります。
本人が「病院には行かない」と言っている場合でも、家族だけで相談できる場所があります。
「ゲーム依存と診断されるほどなのか分からないから相談できない」と考える必要はありません。
判断に迷っている段階で相談して構いません。
ロブロックスが問題なのか、今の遊び方が問題なのかを見る
ロブロックスは、多数のゲーム、友達との交流、アバター、制作などが一つにつながったサービスです。
そのため、一つのゲームより終了地点が見えにくい使い方になることはあります。
しかし、
「ロブロックスだから依存する」
と一括りにはできません。
見るべきなのは、その子が今どんな遊び方をしているかです。
区切りを決めれば終われる。
終わったあと別の生活へ戻れる。
ゲーム以外にも関心がある。
という状態なら、まず終了地点を作る方法を考えます。
反対に、
区切りそのものを作れない。
作っても毎回越えてしまう。
ゲームが睡眠、学校、食事、人間関係などを押しのける。
問題が起きても本人が減らせない。
という状態になっているなら、「ゲーム時間が長い」という問題から一段先を見た方がよいでしょう。
ロブロックスを何時間しているかではなく、
「自分で終われる状態を保てているか」。
そこが、親が最初に見る境目です。
出典
World Health Organization|Gaming disorder
ゲーム行動症の定義・診断上重視される状態について
国立病院機構 久里浜医療センター|インターネット依存治療部門 受診案内
ゲーム行動症の基準・専門診療について
厚生労働省|依存症対策
全国の相談機関・保健所・精神保健福祉センターについて
厚生労働省|ゲーム依存(ゲーム行動症)・ネット依存の全国調査
国内のゲーム・ネット利用問題に関する公的調査について
Roblox Corporation|What is Roblox?
ロブロックスが多数のゲームを含むプラットフォームであることについて
Roblox Corporation|スクリーン時間の管理
利用時間制限と過去1週間の利用状況確認について
Roblox Corporation|Safety FAQs
スクリーン時間・デジタル利用についての保護者向け案内

